テント沼のすゝめ

2023年1月6日

キャンプ沼 テント

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あけまして、おめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。


2023年最初のネタは「テント」です。

サーカスとファシル

テントは、キャンプにとってマストアイテムですが、種類がいっぱいあって、どれを買えばよいか迷うアイテムでもあります。

迷う理由は色々ありますが、一番は、なるだけ1つのテントで全てのシーンを賄いたいと考えるからでしょう。

確かに、キャンプギアの中で一番高いのがテントですから、なるだけ1つで済ませたいというのが人情。ところが、キャンプ歴が長くなるにつれて、保有数が増えてくるギアの代表が、テントです。



何故でしょうか?



答えは、使うシーズンとシーンによって必要とされる機能が最も変わるのがテントだからです。



私は、現在5張りのテントを所有しています。


オガワ アイレ


オガワ ファシル


テンマクデザイン サーカスコットン


ローベンス クロンダイクグランデ


モンベル ムーンライト2型


キャンプ歴が長くなるにつれて、どんどん買い足していった結果、これだけ増えました。今年の4月には更に1張り増える予定です(苦笑)。


では、なぜこんなにテントが増えてしまったか、詳細に解説していきましょう。


テントに求められる機能とは?

先ず、テントに求められる機能を列挙してみましょう

堅牢性

テントに求められる最も重要な機能。しっかりと自立し、強風にも壊れない耐風性能が求められる。また、長く使うためには、ポールやシートの耐久性も重要となる。


耐水性

テントは屋外で使用するため、豪雨などでも雨漏りしない性能が求められる。フライシートなどの雨が直接当たる面だけでなく、地面と接するフロアシートが重要で、安価なテントでは、浸水などのトラブルが発生する場合がある。

一般的に、フライシートで耐水圧1,800mm、フロアシートで3,000mmが基準となる。


通風性

出入口の大きさやベンチレーターなど、風通しに関わる機能。通風性は、夏場の暑さ対策だけでなく、結露時の乾燥にも大きく影響するため、メンテナンス面でも重要。

夏場は、テント内に虫が入り込むので、フライシートの出入口や窓にメッシュパネルが採用されていることも重要なポイントとなる。


防寒性

冬にキャンプを行う上で重要な機能。ダブルウォールと呼ばれる、外側のフライシートとインナーシートによる2重構造のテントは、シート間の空気層によって一定の断熱効果が得られる。また、密閉性を高めるためのスカートの有無も重要となる。


耐雪性

雪中キャンプを行う場合に重要となる機能。雪が積もっても潰れない剛性だけでなく、積もった雪が自動的に滑り落ちるような形状など、複合的要素を考慮する必要があり、最も頭を悩ます機能でもある。


防汚性

特に降雨時に重要となる機能。土のキャンプサイトでは、雨が降ると泥状態になり、テントが汚れる。また、雨が強いと泥ハネも発生するため、それらの汚れを簡単に洗い落とせるかが重要となる。

テントだけでなくタープにも言えるが、ポリエステル等の化繊は静電気が発生し、枯葉やゴミなどを寄せやすい。特に冬場は、静電気が発生しやすく、枯葉なども多いため、コットンなどの静電気が発生しない素材を選ぶことも重要となる。


軽量性

テントは、組み立てや運搬を考慮すると、軽ければ軽いほど良いが、堅牢性・耐久性とのトレードオフの関係にある。また、室内の大きさなどの快適性を取ると、大型化し、重量が増加する。


結露防止

結露は、気温にも左右されるが、ポリエステル系素材では避けられない。特に冬場は、結露した水が溜まると、シュラフや衣服を濡らすなどのトラブルが発生する。

また、結露した状態で収納してしまうと、カビの原因となるため、撤収前に十分に乾燥させる必要がある。

コットンやポリコットンなどは、コットン素材が吸湿するため結露は起こらないが、湿った状態で収納すると、ポリエステル系素材同様にカビの原因となる。


組み立てやすさ

組み立てやすさは、時間の節約になるだけでなく、体力的にも疲労軽減につながり、キャンプを楽しむためには重要な機能となる。また、撤収やメンテナンスに関しても、組み立てやすいテントの方が容易なため、キャンプの時間を有効活用するためには重要なポイントとなる。

逆に言うと、大型で複雑なテントは、設営・撤収が面倒で、特にファミリーキャンプでは使わなくなることが多い。


所有欲

実用面では全く不要だが、ユーザーエクスペリエンス(UX)が重視される昨今においては重要な機能。デザイン性や希少性により、他者と差別化し、個性を重視する一部のキャンパーにとっては最重要な機能。

限定品やヴィンテージなど、種類も様々で、ある意味一番厄介な機能でもある。



テントは、これらの機能に加え、使用人数に合わせた広さも求められるため、結果として無数のバリエーションがあります。

では、以上の機能を改めてリストにしてみましょう。

  1. 堅牢性
  2. 耐水性
  3. 通風性
  4. 防寒性
  5. 耐雪性
  6. 防汚性
  7. 軽量性
  8. 結露防止
  9. 組み立てやすさ
  10. 所有欲

上記の機能を見ると、色々と矛盾する項目があることに気が付くと思います。

堅牢性は軽量性や組み立てやすさに反しますし、耐水性は結露防止に反します。通風性と防寒性はある程度両立可能ではありますが、環境や、使用する煖房器具などによっては色々と制限が出てきます。

所有欲については、キャンプを始める前はあまり重要視されていないことが多いですが、安価なテントを購入してしまうと、機能性に劣らなくても、より映えの良いテントに買い替えてしまうことになりかねませんので注意が必要です(苦笑)。


テントを素材から考えてみる

キャンプで使用するテントは、アウトドアで仮設の部屋のような空間を作ることを目的としていますから、可搬性が最も重要となります。また、設営に関しても1~2人で短時間で行う必要がありますから、ネジ留めが必要となるような複雑な形状の物は現実的ではありません。そのため、板状のパネルや太い柱などは使うことができず、必然的に、シート(幕体)とポールで構成されることになります。


シートの素材は、ポリエステルやシルナイロンなどの化繊素材か、コットン・ポリコットンの綿素材の2択です。化繊素材は、耐水性と密閉性が高く、軽いのが特徴ですが、結露は避けられません。一方、綿素材は、耐水性と密閉性に劣り、重量も化繊の数倍になりますが、結露が発生しないので冬キャンプでは重宝します。

また、特にコットンでシームテープのような防水処理を行っていない幕は、化学的な経年劣化が無いため、何十年にも渡って使い続けることができるのも大きな特徴です。


ポールの素材は、殆どがアルミ(ジュラルミン含む)で、一部にグラスファイバーやカーボン、スチール(鉄)が存在します。アルミは、軽くて強度も高いことから、多くのキャンプ用テントに使われています。スチールは、アルミよりも剛性が高いため、オガワのロッジテントなどで使用されていますが、かなりの重量となるため、運搬性に欠けます。

グラスファイバーは、アルミよりも軽量なため、昔はよく使われていましたが、強度に難点があるので最近は殆ど使用されていません。カーボンはグラスファイバーより更に軽く、しなやかで強度もあるのですが、とにかく高価なため、採用されているのはMSRなどの一部の山岳テントに限られます。


さて、これらの素材を組わせて、いかに快適なテントを作るかがポイントとなるわけですが、所詮、シートとポールでできることは限られています。結局、軽くて丈夫で、広くて快適で、夏涼しく冬温かいなどという、全ての機能を網羅するようなテントは、残念ながら存在しません。

そこで重要になってくるのが、これらの素材と形状を、状況に合わせて最適化することです。


テントはシーズンとシーンに合わせて最適なものを選ぼう

結論から言ってしまえば、春・夏・秋の3シーズン用テントと、冬用テント、雪中キャンプ用テントの3種類に分けることです。


春・夏・秋の3シーズン

3シーズンについては、特に夏をターゲットとした、通気性が高く解放感のあるテントであれば何でもOKです。おススメは、ドームテントとオープンタープの組み合わせです。最もポピュラーな組み合わせですが、それだけに理にかなっています。

春から秋にかけては温暖ですから、日差しを遮ることができるオープンタープであれば、風通しだけでなく解放感もあって良いです。テントは寝る時だけですから、ドームテントで十分です。ドーム型以外ではティピ型も良いですが、円錐形のため中心部分以外は幕体が邪魔になるので、面積の割に快適性が下がります。最近は、ティピ型の欠点を補うために、サイドウォールのあるベル型や、その変形型が増えてきたので選択肢の幅が広がっています。


ツールームは解放感に欠けるので、私は夏場にはあまり使わないのですが、最近はサイドウォールを跳ね上げられるタイプも増えてきたため、種類によっては選択肢に入ります。

また、テント全面にメッシュパネルが採用されているツールームは、虫対策としても良い選択肢になりますので、虫が苦手な方にはおススメです。


ゼインアーツ ゼクー

所有欲という点では、ガレージブランドや海外ブランドもあるので、その中から上記の機能性を満たせるものを購入するのもアリです。但し、形状が複雑になるほど、設営の手間が増えることについては、使いこなせるかも含めて注意が必要です。


冬用テント

冬のキャンプは、とにかく寒いので、煖房対策が必須となります。一般的にはあまり勧められていませんが、石油ストーブなどを幕内で使えば、かなり快適に過ごすことができます。

煖房器具を幕内で使用するためには、ベンチレーターが必須となります。天井付近にベンチレーターがあれば、出入口やサイドウォールを少し空けておくだけで十分な換気が可能となり、石油ストーブなどを安全に使用することが可能です。

※テント内でのストーブの使い方についてはこちら


また、多少ハードルは上がりますが、薪ストーブを使えば、更に快適に過ごすことが可能となります。

※薪ストーブの使い方についてはこちら


おススメは、ツールームかワンポールテントです。ワンポールの派生形としては、軍幕などと言われるパップテントもおススメです。素材は、コットンかポリコットンがベターです。最近は、オガワを中心としてツールームでもT/Cを多用したモデルが増えてきたので、より快適に冬キャンプを楽しむことができるようになりました。


ツールームがおススメなのは、幕内で比較的安全にストーブを使うことができるからです。ツールームであれば、リビングに石油ストーブを設置するだけで、簡単に暖を取ることができます。また、多少の工夫は必要ですが、薪ストーブも使うことができます。


薪ストーブを本格的に使うのであれば、煙突ポートのあるワンポールがおススメです。私の使用しているクロンダイクグランデは、中央付近の天井に煙突ポートがあります。そのため、薪ストーブはテント中央付近に設置することになります。このレイアウトは、煙突の大部分が幕内となるので暖房効果が高く、中央ポールに煙突を固定できるため、安全性の面でも優れています。


雪中キャンプ用テント

雪中キャンプはフロアシートのあるワンポールテントがおススメとなります。理由は、幕内でストーブ類が使えることと、降雪に強いからです。

ローベンスのクロンダイクや、ノルディスクのアスガルドは、フロアシートと一体になったワンポールテントですから、密閉性が高く、室内が広いのが特徴です。そのため、終日暖房器具を使うのに適しており、幕体もポリコットンですから、結露の心配もありません。

また、雪中キャンプで重要なことが、雪がテントに積もらないようにすることです。堅牢性には定評のあるスノーピークですら、積雪でテントが壊れることがあります。ツールームなどでは、どうしても積雪が避けられず、定期的な雪下ろしが必要となります。日中であれば問題ありませんが、夜中にドカ雪が降ると死活問題となります。

その点、ティピ型やベル型などのワンポールテントは、傾斜が十分にあるため、積雪しても、自動的に滑り落ちるため、安心して就寝できます。


テントの組み合わせについて

以上、3シーズンはドーム型+オープンタープorツールーム、冬はツールームかワンポール、雪中キャンプはフロアシートのあるワンポールがおススメとなります。

ここで、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、一部機能がかぶるテントがあります。ツールームテントです。


夏場の解放感を多少犠牲にするのであれば、ツールームは4シーズン+降雪の少ない雪中キャンプまでカバーできます。ただ、これに素材の組み合わせを考慮すると、やはりシーズンに応じて分けるべきとなります。

確かにツールームは、4シーズン使える万能テントですから、ポリコットン素材のツールームであれば、更に高い汎用性があります。しかし、ポリコットンは良くも悪くも吸湿性があり、メンテナンスが面倒です。速乾性と防汚性では、化繊が有利ですから、雨の多い季節には、化繊のテントを選ぶべきです。そうなると、やはり春から秋にかけての3シーズンと、冬・雪中はテントを使い分けるべきと言う結論に至ります。

同じ理由で、クロンダイクやアスガルドのようなポリコットンのワンポールテントも、3シーズン、特に雨の多い時期には向いていません。


一方、冬場は、暖房効率の面から言えば、ツールームより、フロアシートのあるワンポールテントの方が有利です。これは、密閉性が比較的高く、寝室兼リビングとなる幕内でストーブを焚くことができるからです。

ツールームでは、リビング側ではストーブが使えますが、寝室側(インナーテント)で安全にストーブを使うためには、相当大きなサイズが必要となります。一般的に、ツールームはリビングを広くとることが重視されているため、インナーテントの大きさは小さくなりがちです。ですから、スノーピークのランドロックのような大型テントをデュオで使わない限り、ストーブを寝室に入れるのは難しいでしょう。


私は、クロンダイクグランデの中で、終日石油ストーブを使ったことが何度もありますが、換気さえ気を付けていれば、就寝時も快適に過ごすことができます。また、幕内温度を外気温より20℃前後は高めることができるので、工夫次第では3シーズン用のシュラフでも寝ることができます。

冬用の-10℃クラス対応のシュラフは、とても高価なため、特にファミリーキャンプで人数分揃えるのは金銭的に大変です。しかし、効率よく煖房できれば、安価な3シーズン用シュラフに毛布を掛ける程度でも寝ることが可能ですから、経済的にも有利です。


まとめ

さて、シーズンと天候も考慮すると、最終的には以下の組み合わせがおススメとなります。


3シーズン:ドーム型(化繊)+オープンタープ or ツールーム(化繊)

冬:ツールーム(綿) or パップ系含むワンポール(綿)

雪中:ワンポール(綿)


因みに、我が家のテントの使い分けは以下の通りです。


3シーズン:アイレ、ファシル、たまにサーカスコットン

冬:クロンダイクグランデ、たまにサーカスコットン、ファシル

雪中:クロンダイクグランデ


3シーズンと言っても、厳密に言うと、3~4月・10~11月の寒い時期というのは石油ストーブが欠かせないので、ファシルの出番が多くなります。

7~9月の暑い季節は、通気性の高いアイレがメインとなりますが、長期キャンプなどで物を減らしたい場合は、ツールームのファシルが便利です。

※ファシルについて詳しくはこちら


冬場は、クロンダイクグランデが基本となりますが、グランデは最大直径5mで、ガイロープまで入れると8m近く必要となるため、使えるキャンプ場が限定されてしまいます。そのため、狭小サイトの場合はファシルの出番となります(結露は我慢)。サーカスコットンは、ソロや妻とのデュオでたまに使いますが、冬場はスカート下からの隙間風が激しいので、最近は殆ど使っていません(苦笑)。

雪中キャンプは、クロンダイクグランデ1択です。寧ろ、雪中キャンプを色々試した結果、これに行き着きました。

※クロンダイクグランデの詳細についてはこちら



最後になりましたが、モンベルのムーンライト2型についても簡単にご紹介します。

私は、ソロではサーカスコットンを中心に使っていましたが、電車やバスなどの公共交通機関を乗り継いで行くUL系(ウルトラライト系)キャンプにも興味が沸き、ソロ・デュオ兼用として導入しました。

ムーンライト2型は、軽量なだけでなく組み立ても容易なため、設営に時間を掛けたくない時にも向いています。幅が150cmあるため、妻と2人でデュオキャンプをする時にも使えます。

※モンベル ムーンライト2型についてはこちら



以上、テントが複数必要な理由はお分かり頂けたかと存じます。


多少の快適性を犠牲にすれば、ツールーム1つで良いのですが、色々なスタイルに拘ると、どうしてもテントが増えていきます。


まあ、テント沼にハマっていくことは、季節に応じたキャンプをより楽しむことにつながりますので、3張りぐらいは持っておいて損はありません。

(^_^;



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