CX-60試乗記

2022年12月27日

キャンプ沼

t f B! P L

 3人家族なのに、キャンプ道具が多いという理由だけで、3列シート7人乗りのCX-8に乗っている私。そんな私にとって悩ましい車が発売されました。

 


マツダのCX-60です。

 

CX-60は、長年マツダが開発していた、FRベースのSUVです。

地球温暖化でダウンサイジングとEV化が進む自動車業界において、時代に逆行するが如く直列6気筒を新規開発、このご時世にFR+直6というレガシィな車を市場投入してきたマツダには清々しさすら感じます。


そんなCX-60は、シルキーシックスと呼ばれたBMWの直6に憧れて323に乗っていた私にとっては、渇望していた車でもあります。

BMWと言えば3シリーズ。スポーツセダンの代名詞であり、FRで直列6気筒の乗り味は、国産車にはちょっと無い物でした。そんな3シリーズも、ダウンサイジングの荒波には勝てず、今では直列4気筒が主流です。唯一6気筒が搭載されているモデルは、M340iというハイパフォーマンスモデルのみとなり、価格は1,000万円オーバーと、高嶺の花以前の問題です(苦笑)。

さて、直6の代名詞と言われたBMW3シリーズですら殆どが4気筒になってしまったこのご時世に、あえて新開発の直6ディーゼルをぶつけてきたマツダの本気度や如何に!?

という事で、試乗してきました。


CX-60について

試乗に入る前に、ラインアップを整理しておきます。

CX-60は、搭載されるエンジンにより、4種類に分かれます。

  • 3.3L直列6気筒ディーゼル+マイルドハイブリッド e-SKYACTIV D
  • 3.3L直列6気筒ディーゼル SKYACTIV-D
  • 2.5L直列4気筒ガソリン+プラグインハイブリッド e-SKYACTIV PHEV
  • 2.5L直列4気筒ガソリン SKYACTIV-G

駆動方式については、ハイブリッドモデルの「e-SKYACTIV D」と「e-SKYACTIV PHEV」は4WDのみ、エンジンのみの「SKYACTIV-D」と「SKYACTIV-G」は2WD(FR)と4WDの2種類があります。

価格については、グレードが異なるので一概には比べられませんが、「e-SKYACTIV PHEV」が最も高く539~626万円、続いて「e-SKYACTIV D」の505~547万円、「SKYACTIV-D」の323~465万、「SKYACTIV-G」の299~407万円となります。

簡単に言えば、PHEVモデルが最も高く、ガソリン2WDが最も安価ということになります。


CX-60の外装・内装

ディーラーに展示されていたモデルは、e-SKYACTIV Dの「Exclusive Sports」。

フロントから見ると、ボンネットが盛り上がっており、大型のフロントグリルがマッシブさを演出しています。

斜め後ろから見ると、サイドから切り込んだようなリアコンビランプが印象的です。

ちょっと、ベ〇ツのパクリっぽいですが・・・


フロントフェンダー上には、誇らしげに「INLINE 6」のプレートが。

LEDヘッドランプは、以前のマツダは丸型でしたが、CX-60は最近のマツダ車の角型に近い感じに。

リアコンビランプも、6角形っぽいデザイン。これらは、マツダの最新のデザインに合わせている訳ですが、正直BMWに寄せすぎな気がしてイマイチ好きになれません。

タイヤは235/50Rの20インチ。CX-8の19インチでもデカいと思っていたのですが、こいつは更にデカいです(笑)。


横から見ると、フロントはFRらしくノーズが短いです。

一方、リアは、結構オーバーハングが大きく、リアゲートがコンビランプ辺りで大きく張り出しています。

うーん、嫌な予感。

こういうデザインは、結構、駐車場などでぶつけるんですよね・・・。

っと思ってカタログを確認すると、リアゲートの膨らみはそれほどでも無く、バンパーより僅かに引っ込んでいました。

ふー、目の錯覚か。


リアバンパーは、マフラーが内蔵され、マフラーカッターも角型に。


まあ、レクサスやBMW、ベンツなどの高級車に共通するデザインに合わせたという所でしょうか。


エンジンルームを開けると、この通り

でっかい直6が鎮座しています。といっても、エンジンカバーで何も見えませんが(苦笑)。

余談ですが、マツダもようやくCX-60でボンネットの開閉がダンパーに。

これも、欧州車(特にBMW)を意識した変更でしょう。


では、内装を見ていきます。


Exclusive Sportsのシートは、高級車の代名詞ナッパレザー。


インパネやドアトリムなど、至る所に高級感あふれる加飾が行われており、最早欧州プレミアムクラスの仕上がりです。



加飾パネルは、流石に人工皮革ですが、美しいステッチが入っており、オーナーとしての所有欲を満たしてくれます。

CX-8のプロアクティブも、かなり凝った加飾が為されていますが、CX-60は更に上級レベルの雰囲気を醸し出しています。


シフトレバーは、Pが右で、左に入れてRNDとなる、やや変則的なデザイン。CX-8では、M(マニュアル)モードがあるのですが・・・

一方、ステアリング周りは、基本CX-8等と同じですが、パドルシフトが追加されています。

これは、期待が高まります(笑)。


センターディスプレイは、グレードにより12.3インチと10.25インチの2種類。

特に、12.3インチは大きく見やすいだけでなく、前方・後方カメラの解像度が高くなっていることもあって、とてもクリアに見えます。


後部座席についても、エアコンとシートヒーターが完備されており、質感も高いです。


e-SKYACTIV Dに試乗

乗り始めて、最初に感じたのが違和感。

マイルドハイブリッドなので、特に低速でモーターが効いている時に独特の違和感を感じました。特に、アイドリングストップがONになっていると、停止でエンジンが切れ、そのまま走り出すと暫くモーターのみで走り、車速が上がってくるとエンジンが入るのですが、この切り替わり前後からモーターとエンジンの両方で走っている低速区間の加速がリニアに感じないのです。アイドリングストップを切ってSPORTSモードで走れば問題無いのですし、NOMALでも試乗の後半は気にならなくなりましたので、大したことではありませんが、ハイブリッドに慣れないマツダの弱点と言えるかもしれません。


運転に関しては、大型SUVらしい、安定した乗り味です。ハンドルは、良い意味で少し重めで、ピーキーということは一切なく、直進性も高いので、とても運転がラクです。

ディーゼル音に関しては、CX-8から更に進化しており、アイドリングでは殆ど聴こえない程です。街乗りでは、8速ATということもあって、常に1500回転前後で静かに走るのが印象的でした。

乗り心地は、やや硬いですが、CX-8と比べて大きく変わるほどではありません。総重量が1940kgとCX-8のAWDより重いので、その分サスペンションを固めていると思われます。

ハンドリングは、FRベースらしくクイックで、安定性があり、2トン近い重量を感じさせません。ホイールベースは、2870mmとCX-8の2930mmに比べ若干短く、最小回転半径は5.4mと、大柄の割に小回りが利きます(CX-8は5.8m)。そんなこともあり、CX-8より切り返しがラクで、車庫入れもラクでした。

ただ、3.3L直列6気筒ということで、フロント重量が大きく、回頭性にはマイナスでした。これは、仕方が無いことですが、2.2LのCX-8に比べるとコーナリングでフロントの重量を感じ、軽快感に劣ります。まあ、いくらFRベースと言えども、物理法則を超えることはできないということです。


さて、走行モードには、NOMAL、SPORTS、OFF-ROADの3種類があります。シフトレバー右上のボタンで切り替えると、アニメーションが表示された後、メーター類が各モード毎に異なる表示になります。

ノーマル



スポーツ



オフロード


メーターは、ALL液晶ですが、視認性は良いです。個人的には、OFF-ROADで方位が表示されているのが気に入りました。


走りに関しては、NOMALは燃費重視、SPORTSは動力性能重視、OFF-ROADはグラベルや雪道を意識したトルク配分型とのこと。

NOMALは、低速ではMHVのモーターを積極的に使って燃費を稼ぐ走りですが、アクセルレスポンスが悪いとか言うことは無く、踏めばそれなりに加速します。

SPORTSは、加速重視というか、寧ろモーターをあまり使っていない印象で、踏めば3.3Lディーゼルターボらしい加速が楽しめます。試乗したコースに、交通量が殆ど無い直線道路があるので、そこで一気にベタ踏みすると、猛烈な加速でシートに体が押し付けられると共に、一瞬で制限速度オーバーに。イヤースゴイ。真面目に0-100m加速を計ったら5秒台はいくんじゃないかと思います。

とは言えデカいSUVですし、FRベースのAWDで20インチタイヤということもあり、安定した加速が得られ、ホイルスピンも皆無と、とてもジェントルな加速でした(笑)。

SPORTSモードに期待していたのが、パドルシフトを使ったマニュアル走行です。走行中にパドルシフトで任意のギアに落とすことができるので、低回転でパワフルな走りを楽しめると思ったのですが・・・

あまり楽しめませんでした。

と言うのも、確かにパドルでギアを変速することは可能なのですが、暫くすると勝手に戻ってしまうのです。あとで調べて分かったのですが、デフォルトでは、パドルシフトの変速は、一定時間たつと自動解除されるようになっていました。マツダコネクトの「設定」でマニュアルモードに変更しなければならないようで、試乗時には気が付かず、損した気分です(苦笑)。

尚、OFF-ROADについては、流石に都内で雪道とはいかず、真価のほどは分かりませんが、乗り心地は特に変わりませんでした。

オフロード走行性能という点では、2019年モデルのCX-5以降に搭載された「オフロード・トラクション・アシスト」という機能がありますが、それとどう違うのかが気になります。同じAWDと言っても、CX-5はFFベース、CX-60はFRベースですから、自ずと機能的には異なるハズで、トルク配分がどうなってるのかなど、興味は尽きません。


ラゲッジルームの謎

さて、キャンパーとして一番気になるのが、どれだけ積める(詰める)かです。

CX-60のラゲッジルームは、かなり広いです。奥行が975mmあり、横幅も最大1,275mm、高さは817mmで、これはCX-8の740mmを超えます。

CX-60

CX-8


とは言え、CX-8は、3列目を倒せば、奥行き1,200mm以上ありますから、マツダ車最大の積載容量を誇ります。また、CX-8には、大型のサブトランクがあり、2019年のマイナーチェンジ時には更に拡張されたため、冬用寝袋でも4個は入ります。

CX-60は、FRということもあり、ルーム下のスペースが無いため、サブトランクが殆どありません。

写真はオプションのBOSEシステムが入っているため、丸いウーファーがセットされている。
ジャッキなどの工具類も入っているため、ウーファーが無くても、殆ど荷物を入れられるスペースはありません。


ところが、カタログスペック上はCX-60は570Lで、CX-8の572Lと僅か2Lしか変わりません。CX-8の値は、3列目シートを倒してサブトランクと合わせた容量となっているのですが、体感的には、どう考えても2L程度の差では無いように思います。

うーん、これはCX-60を買って、確かめてみるしかないかなー(苦笑)。

 

ちなみに、CX-60には、2列目シートにトノカバーが付いています。

荷崩れ防止というよりも、荷物の目隠しとして使用する物で、これも高級車にはありがちな装備です。


CX-60は買いか!?

CX-60は、予想通り良い車です。走りは抜群ですし、内外装共に欧州プレミアム車と同等の質感ですから、オーナーの満足感は高いでしょう。

私としては、今更FRレイアウトで直列6気筒なんて、ある意味時代遅れの車を作ってくれるのですから、マツダには感謝するぐらいです。買うなら、マイルドハイブリッド無しのSKYACTIV-Dですが、こうなると、ガソリンエンジンが気になります。現状のラインアップは、2.5L直列4気筒しか無いので興味なしですが、直列6気筒ガソリンが追加されれば、俄然欲しくなります。

マツダには、SKYACTIV-Xという超高効率リーンバーンエンジンがあるのですが、これがめっちゃ楽しいのです。以前、MAZDA3のSKYACTIV-Xモデルを試乗したのですが、レッドゾーンの7000回転あたりまでキレイに吹け上がる良いエンジンでした。しかもトルクフルで扱いやすく、サウンドも上々。SKYACTIV-Xの6気筒バージョンが出れば、CX-60も更に良い車になるでしょうし、通常のガソリンエンジンでも直6由来の素直な回転が楽しめるのであればと思ってしまいます。

ただ、ディーゼルの太いトルクは、試乗でも書いたように凄まじい加速ですし、ディーゼル音も、CX-8より更に静かになっていますから、今更ガソリンエンジンは不要かもしれません。吹け上がりに欠けるディーゼルですが、直6のおかげでスムースですし、8速ATと相まって、1500回転あたりの静かでトルクのある帯域を上手く活用できているので、パッケージとしては、やっぱりSKYACTIV-Dが一番良いのかも知れません。


さて、ライバルは、国産であればレクサスRXあたりになるのでしょうが、FFベースですから比較にならないでしょう。

そうなると、やっぱり直6ディーゼルを擁するBMWのX3が直接のライバルとなりますが、4気筒2Lディーゼルで728万~、6気筒3LディーゼルMHVで931万~ですから、比較すること自体に無理がある気がします(苦笑)。

以前、4気筒2LディーゼルのBMW X3 xDrive20dに乗ったことがあるので、それと比べると、動力性能では圧倒的にCX-60、ハンドリングはややX3、内装は互角かCX-60が上といったところでしょうか。ハンドリングについては、X3が直4でフロントが軽いということが影響しているので、同じ直6と比較するとCX-60は互角以上の戦いをすることになるでしょう。

いずれにせよ、欧州車の代表格と言えるBMWに、総合力で互角に渡り合えるのですから、近年のマツダの成長には目を見張る物があります。



かつて、マツダがフォード傘下だった時の話。

ロータリーエンジンのRX-8を開発するにあたり、フォードからは「クーペなんかだめだ!セダンにしろ!!」と言われて、観音開きのドアにして「4ドアですが何か?」と言ったとか言わなかったとか・・・。

そんな、反骨精神の塊のような会社が、敢えて時代に逆行して造ったCX-60。

これが、名車と言われるか迷車と言われるか、先が楽しみです。



で、ここまで書いといて、

買わんのかい!!

と突っ込まれそうですが、



マツダの営業がクリスマスにカチコミに来て・・・(◎_◎;)



納車は、4月らしいです(苦笑)



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