コールマンのガソリンツーバーナー413Hのメンテナンスと改造

2022年5月19日

DIY キャンプ沼 バーナー

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ランタンと並んでコールマンを代表する「413Hパワーハウスツーバーナー」。

コンロが大きく、火力の高いガソリンツーバーナーは、家庭用ガスコンロと遜色無い使い勝手とあって、私にとっては、キャンプで料理を楽しむ上で欠かせないアイテムです。ガス系ツーバーナーと比べると、413Hはかなり大きいので、車載スペースを取るのが難点ではありますが、調理時の利便性は何物にも代えがたいものがあります。特に、冬キャンプでは、極寒でも安定して使えるガソリンツーバーナーは重宝します。

そんな私の413Hですが、先日のキャンプでちょっとしたトラブルがありました。ポンピングしても空気が入らなくなってしまったのです。ポンプカップがヘタリ気味だったので、そろそろ交換しないととは思っていたのですが、生憎予備を持っていませんでした。

応急処置として、リュブリカントオイルを注油したかったのですが、これも忘れた私は、止むを得ずサラダ油で代用し、なんとかポンピングに成功。しかし、その後もポンピングの度にサラダ油を注油しなげればならず、かなりの油を入れてしまいました。

「こら、ヤバいなー」

思った通り、大量のサラダ油は、ポンピング時にガソリンタンク内に入り、バーナーまで油だらけに。使い終わった頃には、ミキシングチューブから油が垂れてくるまでになってしまいました(-_-;)

413Hが使えないと、料理が作れませんので、背に腹は代えられぬとはいえ、メンテナンス必至の状態となってしまいました。


413Hの分解・洗浄

まあ、こうなることは覚悟の上で、じゃぶじゃぶとサラダ油をポンプ内に注油したのですから、先ずは完全に分解して洗浄することに。


道具

413Hは構造が単純なため、プラスドライバーとソケットレンチ(11mm)があれば、簡単に分解できます。

ジェネレーターの分解には、プライヤーとコールマンスーパーレンチかモンキーレンチが必要になります。

あと、今回はポンプのチェックバルブも交換したので、別途チェックバルブレンチを購入しました。

こちらは、コールマンの専用工具ですが、バーナーやランタンなど、全て共通して使えるので、複数台おもちの方は1本持っておいて損はありません。


ジェネレーターの分解

先ず先に、ジェネレーターチューブ先端のニップルを外します。

スーパーレンチまたはモンキーレンチを使って、反時計回りに回せば外れるのですが、相当固く締めこまれていますので(でないとニップル周りから燃料漏れが起きるため)、ポケットトーチで炙って外します。炙ることで、ニップルが熱膨張して外れやすくなります。但し、ネジを舐めてしまうと、外れても締め直す時に大変なことになるので、慎重に作業してください。


次に、タンクからジェネレーターを外します。

これも、ジェネレーターチューブをプライヤー等で反時計回りに回すと外れるのですが、固着している場合は、根元のバルブアッシー側をポケットトーチで炙ります。

ジェネレーターチューブが外れたら、中のクリーンニードルも反時計回りに回して抜きます。これで、ジェネレーターの分解が終了です。

内部は、サラダ油で汚れているため、中性洗剤で洗った後、ベンジン(ホワイトガソリンでも可)に漬けて油分と煤を落としました。


ポンプカップとチェックバルブの交換

今回のトラブルの原因となった、ポンプカップの交換です。

ついでにチェックバルブも、念のため交換することにしました。

先ず、ポンプの蓋をプライヤーかスーパーレンチで回して外します。

ポンプを抜いて、先端のスナップリングを外せば、ポンプカップの交換ができます。



チェックバルブの分解は、先ずエアステム(四角い棒)を反時計回りに回して外します。

エアステムを外したポンプ内。奥に見えるのがチェックバルブ。

ポンプ内に、バルブレンチを挿し込み、きっちりとかみ合わせた後、反時計回りに回します。

チェックバルブは、かなりきつく締められているので、場合によっては、ゴムハンマーでバルブレンチのハンドルを叩いて回す必要があります。

今回は、チェックバルブを交換しましたが、メンテナンスする場合は、ベンジンで洗浄します。バルブ内にはベアリングが入っており、これが汚れていると、しっかりとバルブが閉まらず、加圧した時にエア漏れが発生します。

バルブ内の洗浄には、100円ショップで売られている手芸用の注射器を使うのがおすすめです。


タンクの方は、燃料用アルコールで数回洗浄、その後ホワイトガソリンでも3回ほど洗浄して徹底的に脂分を抜きました。413Hのタンクは、特殊な構造をしているため、タンクをひっくり返しても給油口から中身が出てこないため、ハンドポンプを使って地道に抜く必要があります。

入念にタンクを洗浄したら、チェックバルブを組み付け、ポンプ周りを元に戻します。その後、燃料バルブからジェネレーターへの経路を洗浄するために、タンクに少量のホワイトガソリンを入れて、ポンピングして、バルブを開けます。

これで、燃料バルブ経路の洗浄も完了です。


バーナー本体の分解

最初に、ボディ背面のネジを抜きます。

次に、底にある2つの穴から、ソケットレンチを使って六角ネジを取ります。


この状態で、バーナー本体が取り外しできるようになるので、あとは、サブバーナーのハンドルを縦の状態にして、取り出します。


ここからは、更にバーナーを分解していきます。メインバーナー、サブバーナーとも、バーナー中央のネジを抜きます。

バーナーリングは、メインとサブで最下部のパーツが異なりますので、部品が混ざらないように右(メイン)と左(サブ)に分けておきます。

メインバーナーを裏返した状態。最下段にプレートが入っている。
バーナー周囲まで、油が浮いていた。

バーナーボウルの下には、ガス漏れを防ぐためにセラミックペーパーが挟まれていますが、劣化してボロボロになっていたので、これも交換することに。


リング状のセラミックペーパー。かなり特殊なパーツのため、コールマン直営店で取り寄せてもらった。


サブバーナーは、火力調整弁がスナップリングで留めらえているので、これを外せば分解できます。

サブバーナーのバーナーボックス。中央の丸い穴は、バーナーを留めるためのネジ穴。
左側の丸いプレートが、サブバーナーの弁。とても単純な構造で、スクリュー式のノブを回転すことで、この弁が開閉される。

これで、完全にバーナーが分解できました。


バーナー本体内は、ミキシング部だけでなく、メインバーナー下のバーナーボックスにまで油が溜まっていました。しかし、バーナー本体は、これ以上は分解できないので、中性洗剤溶液に3日間ほど漬け込んでおきました。

複雑な形状のチューブ内は、ブラシなどでは洗えないので、この方法が一番です。

その後、水洗いして復活。


バーナーリングは、中性洗剤で汚れを洗い落とし、更にベンジンで脱脂。

バーナー本体の四角いバーナーボックスと、バーナーボウルの間に、セラミックペーパーを挟んで、その上にバーナーリングを組み付けます。

これで、バーナー部のメンテナンス終了です。


あとは、これをボディに組み付ければ作業終了なのですが、ついでにやりたいことがありました。


本体の塗装です。


本体の塗装をする

実は、413Hのボディ塗装は、普通の油性塗料が使われています。そのため、ボディにホワイトガソリンをこぼしてしまうと、塗装が剥げます!!

そんなこととは知らず、ホワイトガソリンを蓋にこぼしてしまった私は、何気なくふき取ると、その部分の塗装が剥げてしまいました(苦笑)。


うーん、塗料代をケチったな!コールマンめ!と、心の中で毒づきつつ、これはこれで自分好みの色に再塗装するのもアリかと思っていたのです。


と言う訳で、413Hを塗装することにしました!

ホームセンターで色々物色した結果、使ったのは、アサヒペンの高耐久鉄部用の油性塗料(200ml)。錆止め効果もあるので、丁度良いと思って購入。

色は、昭和生まれのおっさんが大好きな赤!

「認めたくないものだな、自分自身の若さゆえの過ちというものを」

と言うセリフがどこからか聞こえてくるのは、気のせいではありません(苦笑)。


塗装を綺麗に仕上げるためには、下地処理が肝心ということもあり、先ずは塗装を剥がしていきます。

うすめ液でこすって剥がしていくのですが、中々の重労働。

それに、本体表面はエンボス加工が入っているので、凹み部分は十分に塗装を落とすことができません。

ということで、こいつの出番。布製のポリッシャーバフ。

これにうすめ液を付けて、塗装剥がしに使ってみたのですが・・・


全然うまくいきません!!


思ったほど取れず、力を入れて押さえつけると、ブルガタ!ブルガタ!となってうまくいきませんでした。これなら手でこすった方がマシです。

ということで、蓋の表は手でなんとか落としたのですが、裏は手もだるいしめんどくさくなったので、秘密兵器を使います(大袈裟)。

金属磨きブラシ

流石にこいつは、ゴリゴリと塗装を剥がしていってくれます。あんまりやりすぎると、素地を痛めてしまうので、力の入れ具合に気を付けながら作業を進めます。

こんな具合で蓋の塗装は頑張って剥がしたのですが、ボディの方はめんどくさくなってしまい、塗装を剥がさずに塗ることに(^_^;)


塗料は、うすめずに原液のまま塗りました。かなり粘性が高かったので、多少うすめた方がよかったかもしれませんが、うすめすぎると地色が出てくるので、そのまま使いました。

要するに、2度塗りするのがめんどくさかっただけです(苦笑)。



で、こちらが完成品です。

蓋はかなり厚塗りしたこともあり、結構きれいに塗れました。

ボディ前面左の413Hのロゴステッカーは、再利用するつもりで塗装前に剥がしておいたのですが、綺麗な赤いボディを見て閃いてしまいました。

「赤い彗星っていうより、チャムスの赤って感じやな。」

と言う訳で、チャムスのステッカーを貼りました(笑)。

塗装を剥がさなかった本体も、多少色残りがありますが、仕上がりは蓋とそれほど大差無い感じです。


ちなみに、コンロ内側は、塗装せずそのままに。面倒というのもありましたが、実は塗料が無くなりました(苦笑)。

ボディ両サイドも塗料が残り少なかったので、うすめ液でのばして塗ったため、若干地色が出ています(苦笑)。

でもまあ、全体的にはきれいに塗れたので良しとします(*´▽`*)




試運転

結局、修理に1ヶ月以上かかってしまいました。塗装が乾くのが遅く、片面に2週間以上かかったことが大きな原因ですが、バルブレンチを購入したり、セラミックペーパーをコールマン直営店でとり寄せてもらったりと、パーツを入手するのにも時間がかかりました。


ようやく綺麗に組み上がった413H。

点火試験も上々です。

この日は快晴だったので、炎が見えませんが、メイン・サブともに青い炎を吐いでいます(^o^)

折角ですから、お湯を沸かしてコーヒーを淹れました。

実は、ジェネレーターは、もう一台所有している414のボディを使って事前にテストを行ったのですが、いくら先端のニップルを締めても、ミキシング部から燃料漏れが止まらず、新品に交換しました。

ジェネレーターもコールマンの直営店で購入したのですが、1本5,437円と結構な出費に(T_T)



でもまあ、これで完全復活しましたし、チャムスのステッカーもいい感じなので、また長く愛用できそうです。



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