スノーピークが炎上しているワケ

2022年9月26日

コラム

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 このブログをお読みいただいている方ならご存じの通り、スノーピークが炎上しています。事の発端は、社長の山井梨沙氏が、社長を辞任することが、9月21日に発表されたことに始まります。理由は、スノーピークのサイトに掲載されている通り、不倫の末妊娠したためと発表されています。

このニュースを見た時、私は「また日本特有の個人叩きが始まるな」と思ったのですが、案の定、ネット上には山井梨沙氏やスノーピークを誹謗中傷する意見が溢れています。

今回は、スノーピークが炎上しているワケと、社長辞任という行動が果たして正しかったのかについて考えてみたいと思います。


ネット上に見られる意見

社長の辞任発表以来、私も動向に注目していましたが、ネット上の書き込みやSNS上の意見は、大方以下の論点に絞られると思います。


  1. 不倫の加害者として山井梨沙氏を非難する意見
  2. 山井梨沙氏の個人的資質(特にプライベート)に対する意見
  3. プライベートな問題で社長を辞任する必要があるのかと言う意見
  4. 山井梨沙氏が社長になってからのスノーピークの製品群に対する意見


私は、3の意見に同意しつつも、スノーピークと言うブランドを前提に考えれた時に、今回の対応はやむを得ないという立場です。


1については、山井梨沙氏が不倫した相手の妻が可哀そう、社長という立場の人間が不倫を通じて被害者を生じさせた事は社会的に許されないという論調です。これに対しては、私は強い違和感を感じます。不倫は相手の男性同意の元に行われた行為であり、相手側の妻に対しての直接の加害者は本来男性であるからです。私の認識が間違っていなければ、不倫で問題になるのは、既婚者側であり、不倫相手では無いと思うのですが、何故か今回の論調では、不倫相手の女性(つまり山井梨沙氏)が悪いことになっています。通常であれば、加害者(この呼び方が正しいとも思えませんが)は既婚男性で、不倫相手と男性の妻が被害者となるのが正しいのではと思います。

私は、この手の話が苦手(というか人のプライベートに首を突っ込みたくない)なのですが、流石に今回の論調には違和感を感じざるを得ません。まあ、この手の批判は、芸能人であれば日常茶飯事ですから、有名人であれば仕方のないことかもしれませんが、やや的外れではないかと思います。


2については、山井梨沙氏の人となりから来る誹謗中傷です。山井梨沙氏は、腕にタトゥーを入れており、タバコを吸います。この事から、悪印象を持った人達が、社長の資質に欠けるというような批判が展開されています。

確かに、山井梨沙氏のインスタなどには、タバコを吸いながらヤンキー座りしている写真などがアップされており、まあこれだけ切り取るとお世辞にも上品とは言えません(苦笑)。

また、スノーピークヘッドクォーターズにあるスパは、刺青・タトゥーが入った客の入場を制限しているので、これにかこつけて非難している意見もあります。ただ、タトゥーに関しては、暴力団対策の歴史から来るイメージが強く、日本国内では冷静な議論が中々進んでいないことも事実です。これは、ボクシングの井岡一翔のケースなどを見れば明らかです。

2020年末、井岡はWBOスーパーフライ級タイトル戦で勝利しましたが、この試合でタトゥーが十分に隠せていなかったことが問題になりました。井岡は、左腕から脇腹にかけてタトゥーを入れているのですが、日本のボクシング協会の決まりとしては、タトゥーをファンデーション等で隠すことになっています。井岡もファンデーションでタトゥーを隠していたのですが、試合中にそれが落ちてしまい、タトゥーがかなり見える状態になっていたことが問題視されました。ちなみに、外国人選手に対してはこのような制限は無く、これば文化的な違いがあることを理由にしています。この件は、同じリングに上がるのに、なぜ日本人はダメで外国人は良いのかという明確な理由が、ボクシング協会からされておらず、今なお問題になっています。

私個人の考えとしては、個人の自由と表現の自由に対し、偏見と偏狭な日本人気質が表れているように思えます。山井梨沙氏の話に戻せば、タトゥーは表現の自由であり、よっぽど他人に対して嫌悪感を抱かせるような内容でさえ無ければ、問題視するのは偏見と言えるでしょう。また、喫煙に関しては、個人の自由ですし、法律を破っている訳でもないので、それを理由に責めるのは間違っているでしょう(ただ、インスタの写真は路上喫煙っぽいので、法的問題がある可能性はあります)。

このような、偏見と偏狭に基づく思い込みで、不倫までするような悪人だと決めつけるのは、如何なものでしょうか。


3についてですが、これはポジティブな意見です。不倫と妊娠というプライベートな行為が、社長辞任という公的立場に影響を及ぼすのは如何なものかということです。近年、企業はセクハラやパワハラなどに関するコンプライアンスについて、厳しい立場で臨むのが常識となりました。しかし、不倫は当事者同士の問題であり、コンプライアンスに反するかと言うと、流石にそれは無いと思うのです。海外の例を見れば、アマゾンのジェフ・ペソスやテスラのイーロン・マスクなど、不倫しても代表を続けいている経営者は枚挙に暇がありません。

今回の問題で言えば、スノーピークの社長が不倫しようが、良い製品を販売し、ユーザーと株主に利益があるのであれば、別に気にすることは無いというか、どうでもいい事だと思うのですが、中々世間は許してくれないようです。これについては、後で詳述します。


4については、スノーピークのファンからの意見が多いです。山井梨沙氏がスノーピーク社長になったのが2020年3月末ですから、僅か2年半で降板ということになりました。その間の山井梨沙氏は、アパレルブランド「YAMAI」を立ち上げるなど、かなりアパレル色を前面に出してきていました。これに対し、古くからのユーザーは、違和感を覚えており、アパレルを進めてきた山井梨沙氏の降板を歓迎しています。

ただ、梨沙氏は、元々アパレル畑の人間で、2012年に入社以来、アパレル事業を推進してきました。この方針を認めたのは、先代の社長であり父親でもある山井太(とおる)氏ですから、アパレルブランドは、以前からの既定路線とも言えるので、梨沙氏の降板で方針が変わるかどうかは微妙だと思います。


ネット上に見られる大方の意見は以上の通りですが、ここからは私なりの分析と、今後について考えていきたいと思います。


スノーピークの歴史

ここで、少しスノーピークの歴史を整理しておきましょう。

スノーピークミュージアムに展示されている山井商店の看板。

スノーピークは、初代社長の山井幸雄が「山井幸雄商店」を1958年に創業したことに始まります。当初は、アイゼンなどの登山道具を主に製造・販売していました。

転機は、山井幸雄の息子、山井太(とおる)が入社したことに始まります。当時、スキー人気の高まりに呼応するように、RV(Recreational Vehicle、現在はSUVにカテゴライズされる)と言われる車が飛ぶように売れていました。これにヒントを得た山井太は、オートキャンプに活路を見出します(※1)。当時のテントは、山岳向けの軽量な物か、安くて品質の悪いテントしか無かったため(※2)、より高品質で大型のテントを販売することにしたそうです。目論見は当たり、88年に立ち上げたオートキャンプ事業は急成長し、93年には売上高25億5千万に達します。

その後、96年には山井太氏が2代目社長に就任し、社名もスノーピークに改めます。しかし、奇しくもこの年は第一次キャンプブームのピークの年で、これ以降キャンプ需要が急激に縮小していきます。99年には、売上高は14億5千万円まで下落し、スノーピークは終わったとまで囁かれるようになります。

そこで、原点回帰した山井太は、ユーザーの声を直接聞くため、2泊3日のキャンプイベント「スノーピークウェイ」を開催します。そこで聞かれたユーザーの声は、「製品の品質には満足しているが、高い」と「品揃えが良い店が無い」でした。スノーピークの製品を購入しているユーザー層は、ハイエンドな製品がスノーピーク以外に無いから買っているだけで、値段は高いと感じていました。また、問屋経由の販売のため、各小売店で販売されている商品は限られており、自分の欲しい商品が買えない状態でした。

これに衝撃を受けた山井太は、これまでの流通を改め、特約店と直営店による直接販売方式に切り替えることで、中間マージンを省くことに寄る低価格化と豊富な品揃えを実現させました。その後、経営状態は順調に回復、近年の第2次キャンプブームにも乗る形で、2021年には、連結売上高257億1353万を計上するまでに成長しました。

近年の動向を見ると、2011年には、キャンプ場を併設する5万坪のHeadquartersに本社を移転。製品のフィールドテストとファンの声を聞く場として活用していきます。2016年以降は、オフィス向けの製品提案・コンサルティングや、グランピングなどの宿泊事業など、経営の多角化を推進。一方で、2012年には、今回の中心人物である山井梨沙氏が入社し、アパレル事業を本格化。2020年には梨沙氏が3代目社長に就任しますが、今回の事件発覚に至り、再び社長は会長に退いていた太氏が復帰することになりました。


※1 山井太の著書によると、オートキャンプはスノーピークが1988年に提唱するまで世界のどこにも無かったスタイルとしているが、1969年には「社団法人日本オートキャンプ協会」が発足しており、スノーピークのオリジナルでは無い。

※2 1985年には小川テント(現キャンパルジャパン)が「オーナーロッジ・エクセレント」を発売しているので、山井太のこの発言は間違い。


スノーピークと言うブランドの特徴

スノーピークには、いくつかの特徴があります。

最も有名なのが「永久保証」でしょう。素材の経年劣化や使用に伴う消耗を除き、全ての製品を無償で修理してくれる制度です(アパレル除く)。これは、高品質で耐久性に優れているという自身の表れであり、製品設計の段階から徹底的に拘り抜いているからこそできることです。製品化前のプロトタイプを用いて徹底的にフィールドテストを行い、問題があれば些細な事でも修正するという品質第一の姿勢を貫いており、そのため、発売予定が大幅に遅れることも珍しくありません。

次に、値引きをしないという点です。これは賛否両論あるかもしれませんが、安易な値引きはブランドの毀損に繋がります。一方で、値引きが無いということは、欲しいと思った時が買い時とも言え、セール時期を待つなどの無駄な時間の浪費をせずに済みます。

それから、スノーピークストアに見られる販売方式です。特筆すべきは、直営店だけでなくインストア方式の店舗(アウトドア量販店の店内にスノーピークの店舗を設ける方式)でも、正社員を置いていることです。通常は、インストアは社員では無くアルバイトや店舗側スタッフに任せるのが通例ですが、それをあえて社員を置くことで、製品紹介から様々な提案まで、きめ細かな対応を行っています。また、特約店に関しても、店舗スタッフに対して、スノーピーク本社のキャンプ研修に参加してもらうなど、ブランドステートメントの浸透に拘っています。

以上、こういった取り組みが、ブランド向上におおきく繋がっていると言えますが、これは、ハイブランドには共通して見られることです。


ハイブランドとの比較とスノーピークの課題

ここでは、ルイ・ヴィトンを参考に説明していきましょう。

ルイ・ヴィトンは、言わずと知れたフランスの鞄メーカーです。製品への拘りは、ハイブランドの中でも群を抜いており、最高の素材を用いて、最高の技術を持った職人が手作りしています。

正規販売店によるリペアーサービスは、流石に鞄と言う耐久消費物ということから無償ではありませんが、きめ細かな対応に定評があります。

販売に関しても、直営店を基本としており、値引きも無く、世界中で同じ価格で買うことができます(為替差額を除く)。

このように、スノーピークは、ルイ・ヴィトンと似たハイブランド戦略を採っていますが、唯一の違いが、ファブレス(自社工場を持たない)ことです。厳密に言うと、焚火台のみ自社工場で製造していますが、それ以外は全て委託生産となっています。そのため、テント類は中国、ガス器具は韓国に製造を委託しています。実は、これがスノーピークのアキレス腱になっています。ルイ・ヴィトンは、職人に寄る手作りのため、模倣性に限界がありますが、スノーピークは工業製品であるため、一定レベルでの模倣性が避けられないのです。

実は、ルイ・ヴィトンの、職人に寄る手作りというのは、コピー製品の製造を困難にさせています。勿論、殆ど見分けがつかない模造品が後を絶たないことは事実ですが、見分けがつかない程高品質な物を作るためには、それなりの製造単価となってしまい、コピー製品を作る旨味が低下します。一方、粗悪品を作れば簡単に偽物と見抜かれてしまうので、それでは意味がありません。このようなジレンマが、コピー商品に対する一定の歯止めをかけているのです。

一方、スノーピークの製品は、工業製品ですから、商品を買ってきて分解し、構造を調べることが可能です。リバースエンジニアリングと言われるこの手法は、家電製品から自動車まで、様々な工業製品で用いられており、そのまま放置すると、苦労して開発した製品を簡単にコピーされてしまいます。

これを防止するのが、特許と意匠性です。特許は、製品設計の斬新性などに対して独占する権利を認めるものですから、特許が含まれる製品をコピーすると特許侵害で訴えられることになります。また、意匠性については、デザインや形状に関する独自性を権利として認めており、ルイ・ヴィトンのLVマークなどがこれに当たります。

スノーピークの製品は、デザイン性は独自の物がありますが、技術的には枯れた技術を使っているため、特許性がありません。また、意匠性についても、キャンプ道具ですから意匠性より機能性が重視される傾向にあります。これが、他社による模倣性に繋がっており、スノーピークの頭を悩ませています。

有名なのが、鍛造ペグの「ソリッドステーク」です。ソリッドステークは、スノーピークを代表するヒット商品ですが、ペグと言う機能性重視で特許性や意匠性が無い商品であるため、類似製品が後を絶ちません。その最たるものが、山谷産業が製造・販売している「エリッゼステーク」です。ソリッドステークと形状の似た鍛造ペグで、スノーピークとは2020年から係争中です。結果はまだ出ていませんが、ソリッドステークのペグとしての形状に独自性が認められるかは微妙で、特許性もありませんから、スノーピークには厳しい状況でしょう。

キャンプ道具はコモディティ化した製品であり、特許性が無く、意匠による差別化も難しい商品です。また、工業製品で、しかも外部委託して製造していることから、製造技術的な特許や特殊性も無いため、リバースエンジニアリングした結果から、デザインを少し変えて、同等品質の製造工場に委託すれば、誰でも簡単にパクリ製品を製造できてしまいます。簡単に言えば、デッドコピーでない限り、訴訟しても模倣性を法的に認めさせることが困難なのです。

そのため、Amazonなどで、スノーピークのパクリ商品が大量に販売されていたりします。勿論あまりにも悪質な物は訴訟対象となるでしょうが、それらの製品を販売しているのが中国や韓国の企業の場合、それも困難になります。


スノーピークは、2016年あたりまでのハイブランド戦略は十分に機能していましたが、類似製品の出現や、ネット通販などにより、マーケットを奪われつつあると言えます。また、ゼインアーツのように、スノーピークの元社員が立ち上げたブランドなども台頭しており、ハイブランドとしての神通力を失いつつあると言えるでしょう。

そのような時期にあって、経営の多角化などを狙って山井梨沙氏が社長就任したのですが、今回の一件で出鼻をくじかれた状態になってしまいました。


炎上を見ていて個人的に思う事

さて、スノーピークについて、色々と書いてきましたが、ここからは私が個人的に思う事を書いてみたいと思います。

経営能力とプライベートは分けて評価すべきだが

冒頭でも書きましたが、私は経営能力とプライベートは分けて考えるべきだと思っています。日本人は、潔癖症なので、経営者など人の上に立つ人間は完全無欠でなければならないというような風潮がありますが、本来的には、経営者に対する評価は、会社の価値への貢献・株主への責任・社員への責任の3点で評価すべきで、プライベートに関わる内容で評価されるべきではありません。別に不倫を助長する気は毛頭ありませんが、英雄色を好むとも言いますし、ハングリーで優秀な経営者であれば、寧ろ今回のような事件で辞任することは、返って会社にとって損失となります。

しかし、ブランドという観点で考えると、山井梨沙氏の一定の責任はあるとも言えます。ファンとの関わりを重視するというブランドステートメントに、山井梨沙氏の行動は反する部分があると言えるからです。ブランドは、ユーザーがブランドを信頼することによって成立しているので、今回の騒動がファンへの裏切りとまで言わないでも一定の悪感情を抱かせたことは間違いありません。このような、ブランドの毀損に繋がる行為は、やはり一定の処分対象にならざるを得ないでしょう。

そういった点から言えば、不倫と妊娠が発覚した時点で、自ら公表し社長を退任したことは、会社の危機管理の観点からは一定の評価ができると思います。週刊誌にスッパ抜かれてからでは、釈明に追われることは間違いなく、更なるブランド毀損につながった可能性があります。社長降板という形で、延焼を最低限に抑えたのは、スノーピークの対応としては妥当だったでしょう。


山井梨沙は親の七光りか?

ここで、疑問になってくるのが山井梨沙氏は何故社長になれたのかという点です。私は、彼女の人となりを知りませんので、軽率な発言は避けますが、ファッションデザイナーとしては一定の能力があったのでしょう。

問題は、経営者としてどの程度能力があったかですが、これに関してはたった2年半の経歴では判断できないです。

ただ、一つだけ気になるのが、2012年にスノーピークに入社して以来の経歴です。入社翌年の2013年9月にはアパレル事業課マネージャーに就任、2016年1月には執行役員アパレル事業本部長に就任しています。はっきり言って、出世があまりに早すぎるのです。勿論、ベンチャーやスタートアップ企業であれば、よくある話ですが、スノーピークは社員数600人を超える大企業です。四季報にも掲載されているぐらいで、東証一部上場企業ですから、社長の娘というだけで入社4年足らずで執行役員するのはどうかと思います。

私は、スノーピークの株主ではありませんから、この件について口出しする権利はありませんが、株主であれば、人事の透明性も含め、今回の一件に対する詳細な説明責任が現社長の太氏に求められることでしょう。


スノーピークを舞台としたファミリービジネスの功罪

実は、今回の一件で、一番納得できないのが、社長の交代があまりにも早すぎたことです。先ほど、危機管理の点からは評価できると書きましたが、結局、父親に当たる会長が社長に復帰するという形で幕引きを図っています。

改めて調べてみると、スノーピークは典型的なファミリービジネスです。社長は3代に渡って山井家ですし(初代幸雄が亡くなって暫くは太の母の多香子が社長に就任していたので実質的には4代)、太が社長時代の2014年頃は、母の多香子が相談役、2人の妹が常務と内部監査室長を務めています。その後、長女の梨沙と次男の隆介が入社しています。この状況を、山井太は著書の中でファミリーの絆と表現していますが、それが大企業として正しく機能しているかどうかは不明です。

勿論、トヨタを挙げるまでもなく、一族が社長に就任することは日本企業では枚挙に暇がありませんから、スノーピーク程度の規模の会社であれば珍しい事ではありません。

ただ、これを当たり前と見るか、ファミリービジネスの功罪と見るかで、見方は変わってくると思います。ここまでの山井太の経営者としての手腕は、私が言うまでも無く、高く評価されています。Appleのスティーブ・ジョブスを引き合いに出すまでもありませんが、成長期の企業は、得てしてカリスマによる強引な経営が結果を出すことはよくあります。しかし、それが今後も続くとは限りません。

スノーピークのWEBサイトには、9月24日に「誹謗中傷等に対する法的措置について」というお知らせがリリースされています。内容としては、今回の炎上による誹謗中傷については、法的処置も辞さないという内容ですが、問題に真摯に向き合っているのであれば、このようなお知らせなどはリリースすべきではないでしょう。

21世紀の企業に求められるのは、お手盛りの経営では無く、透明性と社会的責任ですから、スノーピークも昭和的な経営から脱皮できるかが問われています。



【参考文献】

スノーピーク「好きなことだけ!」を仕事にする経営 山井太著


ogawaヒストリー
https://www.campal.co.jp/aboutus/history.html



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