【2021/10/19更新】
最近のキャンプ人気の上昇と共に、真冬にキャンプをする人が年々増えてきました。以前は、冬のキャンプ場は閑散としていたものですが、最近は真冬でも予約がいっぱいでびっくりするほどです。とは言え、真冬のキャンプ場はやっぱり寒いですし、風も強いことが多いため、防寒対策は欠かせません。
一方で、キャンプ用の服装を調えるのは、アイテム数が多く、財布も含めて厳しい物があります。
そこで、入手しやすく着こなしも簡単なユニクロを参考に、本格的な冬のキャンプコーデをご紹介したいと思います。
冬のキャンプ場はどれぐらい寒い?
ではまず、冬のキャンプ場がどれぐらい寒いか、気温を確認してみます。下記の表は、関東の代表的なキャンプ場が多く集まる河口湖の月毎の最高・最低気温の平均と、月内の最高・最低気温をまとめたものです。
月内の最高・最低気温とは、その月で一番気温が高かった(低かった)日の最高気温(最低気温)を表しており、寒い時は、最低気温がそれぐらいになる日があるという意味です。
河口湖の気温
出典:気象庁の過去の気象データより作成
冬キャンプ最盛期の1~3月を見てみると、最高気温(平均)で5~6度、最低気温は常にマイナスということが判ります。特に月内最低気温は1・2月で-11度以下と、ナメてかかると命に関わる気温です。
一方、寒暖差はだいたい10度程度ですので、だいたい5度からマイナス5度の範囲に対応する必要があることが判ります。
冬キャンプでは、防風も考慮する必要があります。風速1メートル毎に体感温度は1度下がると言われていますが、0度近くではそれ以上に寒く感じます。また、充分に防風出来ていないと体温をどんどん奪われるので、場合によっては低体温症などの危険な状態になります。
キャンプ場では日常とは違った防寒対策が必要
都心部でも、真冬は朝方の気温が5度近くになることは良くあるので、普通に生活している中でも5度というのはよく体験することだと思います。しかし、アウトドアと都会では、話が変わってきます。都会であれば、外出しても電車に乗ったり建物の中に入ったりと、意外と外気にさらされている時間は短いです。でも、キャンプ場では、ずーっと5度以下の気温の中で過ごすことになります。テントの中でストーブを焚くという方法もありますが、終日テントにこもっていてはキャンプに来た意味がありませんので、やっぱり寒空の下で長時間過ごすことになります。防寒対策はレイヤードが基本
さて、ではどれぐらいの防寒対策を行えば良いのか、具体的に考えていきます。長時間5度からマイナス5度の気温に対応しつつ、ある程度の風にも対応するとなると、やはり日常のスタイルでは耐えられません。とは言え、南極探検隊みたいなごっついダウンコートを買う必要はありません。もちろん買えればそれに越したことはありませんが、日常のスタイルに数枚プラスするぐらいの防寒対策でもなんとかなります。私がお勧めするのは、フリースや薄いダウンを重ね着(レイヤード)することです。防寒の基本は、いかに外気と身体の間に空気の層を作るかということになります。空気は熱伝導率が非常に低いため、より多くの空気の層を作れば、単体で分厚い服を着るよりも効果があります。また、普段の服装を活かしつつ、その中に数枚足すことで、日常でもキャンプ場でも活用できるようにすればお財布にも優しいです。
ただ、下半身については、日常とは違うアプローチが必要になります。雪国の方には釈迦に説法ですが、冷えは下半身から来るので、日常生活とは異なった防寒対策が必要となります。
アウトドアウェアの3つのレイヤード
アウトドアではたいてい「アウターレイヤー」「ミドルレイヤー」「ベースレイヤー」の3種に分けられています。特に登山やトレッキング、スノースポーツなどでは、それぞれの特性に合わせて各レイヤーを調整しています。激しいスポーツをする分けてはないキャンプでは、あまり意識する必要はありませんが、基本を押さえておくとイメージしやすいので、簡単にご紹介します。アウターレイヤー
防風・防水がメインとなるレイヤー。要するに一番外側に着る衣類。氷点下で透湿性が無い素材を着ると、汗などで出た水蒸気が内側で凍るので注意が必要。
ミドルレイヤー
ベースレイヤーとアウターレイヤーの中間に着るウェア。運動量や気温に合わせて脱いだり着たりすることで体温を調整する。フリース、ダウン、メリノウールなど、素材も様々。
複数の衣類をレイヤードする場合は、静電気に注意が必要。
ベースレイヤー
一日中着ていることになる一番下の層。特に肌に触れる下着は、汗で濡れると体温が下がるので、透湿性と速乾性が求められる。発熱素材を活用する
ユニクロのヒートテックで有名になった発熱素材を有効活用すれば、かなり暖かく過ごすことが出来るようになります。発熱素材は、体から発散される水蒸気と反応して熱を出す素材です。そのため、発熱素材の衣服は、一番下の肌に触れる下着として着込むことが基本になります。間にコットンなどの下着を挟むと、コットンに吸湿されて、発熱機能が発揮されません。また、コットンの下着は、汗を吸って乾きにくいため、湿った下着が逆に体温を下げることになります。そのため、下着を使いたい場合は、コットンではなく、透湿性の高い化繊の物を使用しましょう。
薄手から厚手へとレイヤードする
レイヤードの基本は、薄手から厚手へとなります。肌に近い部分は、薄い物でも防寒能力を発揮してくれます。薄くても、重ね着している間に空気をため込むことができ、その空気が閉じ込められた状態で動かない(外に排気されない)ことで、体温を保つことができます。ですので、下着とシャツの間に薄手のロングシャツを着るだけで、かなり保温力がアップします。逆に、厚手の物を下に着ると、上から着たウェアに押しつぶされるような感じになるので、保温性を十分に発揮できなくなる場合があります。また、ゴロゴロしたり、擦れたりするので着心地も悪くなります。
下半身は3枚以上を目安に
上半身はレイヤードしやすいのですが、下半身は限界があります。着込みすぎると動きにくくなりますので、歩いたりトイレに行ったりすることを考えると、3~4枚程度が限界です。私がいつもやっているのは、ヒートテックの下着→フリースズボン→防寒ズボンというレイヤードです。雪中キャンプの場合は、この上に防水・防風性に優れたモンベルのドライテックインシュレーテッドライトパンツを履いています。
ソックス(靴下)もレイヤード
冬場は足先も冷えるので、ソックスも2重にすると良いです。通常履いているソックスの上に、裏起毛のソックスを履くとかなり暖かくなります。多少高いですが、登山用のウールのソックスがおススメです。
リンク
昔は、唐辛子をつま先に入れたりしたのですが、かぶれたりするので、お勧めしません(苦笑)。
ユニクロで揃える冬キャンプ装備(2021年度版)
ユニクロはアイテムが豊富で、最近は機能性の高い商品も増えてきましたので、充分にキャンプなどのアウトドアでも威力を発揮してくれます。冬キャンプに向けて、私がおススメする2021年度のユニクロアイテムは、以下の通りです。
※写真と解説文はユニクロ公式オンラインストアより引用
アウターレイヤー
ハイブリッドダウンパーカ
身頃にはダウンを、脇や袖には吸湿発熱中綿を使用することで、暖かさと動きやすさを両立。
多少の雨行きならはじく耐久撥水加工をプラス。
吸湿発熱綿を使用。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E429290-000/00?colorDisplayCode=57
シームレスダウンパーカ
風を通しにくくずっと暖かいシームレスタイプ。
軽くて丈夫なナイロン100%素材に耐久撥水、防風機能をプラス。
お客様の声にお応えして、ポケットに止水ファスナーを採用。
伸縮性がある表地を使い、シームレスの圧着部分のつっぱり感を軽減。
キルトを1本減らすことでダウン特有のもこもこ感を抑えてカジュアルなデザインに。
ステッチのないシームレス仕様だから、風が入りにくく暖かい。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E429291-000/00?colorDisplayCode=67
ミドルレイヤー
ファーリーフリースフルジップジャケット(長袖)
ふわふわとして抜群に暖かいファーリーフリース。
今季のアップデートポイントは、肩幅や袖幅を大きくして、ゆったりシルエットに。
毛足が長く、保温性にすぐれたアウトドアテイストのフリース素材。
袖口は少しだけ細くして、すきま風が入りにくいように改良。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E419505-000/00?colorDisplayCode=32
ウルトラライトダウンコンパクトジャケット
今季のアップデートポイントは、表地はマットで上品な質感になり、レイヤードしやすいデザインに。
雨水をはじく耐久撥水加工をプラス。
コンパクトなサイズで持ち歩けるポケッタブル仕様。
静電気を抑える裏地を使用することにより、レイヤード時の不快感を軽減。
バインダーテープの幅を見直し、よりすっきりとした袖口に。
着こなしに合わせてVネックの深さをアレンジできる2WAYデザイン。
640フィルパワーのプレミアムダウンを使用。
混合率ダウン90%・フェザー10%のベストバランス。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E429284-000/00?colorDisplayCode=08ベースレイヤー
フランネルチェックシャツ(レギュラー・長袖)
起毛感にこだわったフランネルシャツならではのぬくもりと柔らかさが魅力。身頃の前後に差を付けて、腕が動かしやすいパターンに設計。
ポケットは着用時のバランスを考えつつ、実用性も考慮し、IDカードやパスポートが入る大きさに設定。
やや太めの21番単糸を使用し、1枚でも羽織りとしても着こなしやすいふっくらと厚みのある素材感に。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E431479-000/00?colorDisplayCode=66
ヒートテックウルトラウォームタートルネックT(9分袖・超極暖)
発熱、保温、保湿、吸放湿など快適機能をプラス。
ストレッチ性があり、形状保持にもすぐれた素材。
通常のヒートテックよりも約2.25倍暖かい。
首元までしっかり防寒できるように、フィット感にこだわったタートルネック。
ヒートテックウルトラウォームクルーネックT(9分袖・超極暖)
発熱、保温、保湿、吸放湿など快適機能をプラス。
ストレッチ性があり、形状保持にもすぐれた素材。
袖先からのぞきにくいように短めの9分袖に設定。
極寒地での防寒インナーにおすすめ。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E429019-000/00?colorDisplayCode=04
ボトムス
防風エクストラウォームイージーパンツ
表地と防風シート、中綿、裏地の起毛素材の4層構造で冷気を防ぎながらしっかり保温。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E429005-000/00?colorDisplayCode=09
ボアスウェットパンツ
もこもこの裏ボアで気持ち良く包む。
ポケット裏は起毛素材で指先まで暖かく。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E418709-000/00?colorDisplayCode=03
ヒートテックウルトラウォームタイツ(超極暖・前開き)
発熱、保温、保湿、吸放湿など快適機能が満載。
ストレッチ性があるので心地よくフィット。
柔らかな裏糸を使っているので肌当たりが良い。
極寒地に対応する高い防寒性を誇る。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E429023-000/00?colorDisplayCode=08
その他
ヒートテックニットキャップ
良く伸びるリブ編みで心地よいフィット感を実現。
吸湿発熱、保温機能を持ち、肌当たりがよりソフトになったヒートテックを使用。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E428918-000/00?colorDisplayCode=03
ヒートテックパイルソックス
・今季のアップデートポイントは、耐久性と防寒性がアップ。
・発熱、保温、抗菌、消臭など快適機能をプラス。
・かかとを立体構造にしたワイドヒールで、フィット感が良い。
・足底にボリューム感があってはき心地の良い裏パイル素材。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E429029-000/00?colorDisplayCode=04
コーデのポイント
アウターレイヤーは、ハイブリッドダウンパーカーとシームレスダウンパーカーの2種類をチョイスしましたが、店頭で確認したところ、シームレスダウンパーカーの方が保温性は若干優れると思います。ただ、ハイブリッドダウンパーカーの方が、撥水性が高いので悩ましいところです。ミドルレイヤーは、フリースとウルトラライトダウンを、気温に応じて組み合わせてください。フリースを少し大きいサイズで購入すると、下にウルトラライトダウンを無理なく着こなせます。
特に、ファーリーフリースフルジップジャケット(レビューはこちら)は、とても暖かいのでおススメです。我が家も家族全員分購入しました(笑)。
ベースレイヤーは、フランネルチェックシャツを基本に、下に着るヒートテックを気温に応じて選択してください。両方着ると相当暖かいはずですので、マイナス10度の中で寝る場合などには検討してみてください。
ヒートテックは発熱素材ですので、一番下に着るのが理想的ですが、2泊以上のキャンプだと汚れが気になるので、その場合は、エアリズムを下に着てください。エアリズムは、素材が90%ポリエステル、10%ポリウレタンのため、透湿性と速乾性に優れていますので、ヒートテックの下に着ても発熱効果があまり下がりません。
以上、ユニクロのキャンプ向けコーデ紹介でした。
皆さんも、近くのユニクロに行って、レイヤードに挑戦してみてください!
※レディース編はこちらにまとめてあります
ユニクロで揃える冬キャンプ装備-2021レディース編