キャンプで使える薪ストーブの選び方とおすすめの薪ストーブ13選

2019年11月11日

キャンプtips 薪ストーブ 雪中キャンプ

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前回は、テントの中に薪ストーブを設置する方法をご紹介しましたので、今回はテント内で使える薪ストーブをご紹介したいと思います。

高い人気のG-STOVE Heat View
出典:Gstove

まずは、一言で薪ストーブといっても、いろんな種類がありますので、一旦整理してみましょう。

材質について

最近は、様々なブランドから薪ストーブが販売されており、種類も豊富ですが、まずは材質について注目してみます。
薪ストーブに使われている素材としては、鉄、ステンレス、チタンがあります。

蓄熱性の高さでは、
鉄>ステンレス>チタン
になります。

逆に、重量では、
チタン<ステンレス≦鉄
になります。

薪ストーブは、薪が燃えた熱を本体が吸収して、遠赤外線として放出することで暖まるため、蓄熱性の高い材質の方がより暖かいということになります。吸収・放射されなかった熱エネルギーは、排煙と一緒に煙突から捨てられることになるので、熱効率が悪くなります。そのため、本体は鉄製が最も効率が良く、しかも重いほど鉄の量が多いので蓄熱性が高まります。
欠点としては、当然重くなるという点で、私が愛用しているテンマクデザインのiron-stoveちびは、本体重量が18kgもあります。
逆に、同じくテンマクデザインのTITAN STOVEは、大きさも小さいとはいえ、2.1kgしかありません。チタンは蓄熱性は劣りますが、軽くて丈夫ですので、暖房性能と利便性のトレードオフとなります。
ステンレスは、蓄熱性では鉄に劣りますが、耐久性の面では高いので、鉄よりも長持ちし、より高温に耐えるという特性があります。鉄は耐熱塗装をされていても、使い続ければ錆びますので、錆の面でもステンレスの方が耐久性に優れています。
重量はそれほど変わらないので、より長く使える物を求めるのであれば、ステンレスが良いでしょう。また、鉄の薪ストーブは、使っていると天板などが歪んできますが、ステンレスは鉄より歪み難いので、歪みを気にするのであれば、ステンレスを選ぶ方が無難です。
欠点は、鉄製より高いことです。

薪ストーブのタイプ

アウトドア向けに販売されている薪ストーブは、厳密なタイプ分けはされていないのですが、ここで説明のために便宜上4タイプに分けました。

時計型・卵型タイプ


上から見た形が、振り子の付いた掛け時計や卵の形に見えることから、時計型や卵型と呼ばれている。上面を大きく開けることができるようになっており、スキレットやダッチオーブンを使った直火の調理が可能なことが特徴。
薪を入れるための扉は、本体の側面に付いている。
比較的安価なモデルが多く、構造もシンプルなため、掃除もしやすい。

箱型・角型タイプ


本体形状が、箱型をしているタイプで、最も多くのモデルが発売されている。側面などに大きな耐熱ガラスをはめ込んだモデルは、炎を鑑賞するのに向いており人気がある。
また、組み立て式など、バリエーションも豊富なため、自分のキャンプスタイルに合わせて選ぶことができるのも特徴。

筒型タイプ


本体が筒状の形をしており、天板のみ平らになっているモデル。多くのモデルが、煙突を本体内に収納できるようになっており、比較的コンパクトになるよう工夫されている。
天板に直火調理用の蓋があるタイプと無いタイプがある。

ドラム型タイプ


ゴロンとした円筒形のタイプ。暖房よりも調理をメインにしているものが多く、天板が大きく空くようになっている。


さて、どの型を選ぶにしても、暖房ともう一つ重要なポイントがあります。それは、炎を鑑賞するための窓の有無です。特に大きな窓が付いているモデルは、テント内に居ながら焚火をしている気分に浸ることができます。薪ストーブに使われている耐熱ガラスは、輻射熱の面で鉄などに比べて不利で、価格も高くなるのですが、揺らぐ炎を鑑賞することによる癒し効果はそれを補って有り余ります。
家庭用薪ストーブも、全てのモデルで前面がガラスになっていることから、炎を鑑賞できるということが薪ストーブの重要なポイントとなっていることは明らかです(笑)。

時計型・卵型タイプは、天板の蓋が大きく空くタイプが多いため、片付けが楽というのが最大の利点です。
箱型・角型には様々なタイプがありますが、新保製作所のロマンチカル薪ストーブに代表されるように、炎の観賞に重点を置いたモデルが多いです。また、天板が比較的広いモデルが多いため、スキレットなどでの調理にも向いています。
筒形タイプは、コンパクトなモデルが多いので、特に積載が厳しいキャンパーには重宝されています。扉に窓の付いているモデルもありますが、窓が小さいので鑑賞にはあまり向いていないのが残念な点です。
ドラム型は、比較的容量が大きく、薪が大量に入るので、他のモデルより火力が高い傾向にあります。そのため、高火力を利用した調理に向いています。また、薪が多く入ることを利用すれば、長時間炊き続けることができるのも利点です。


おすすめの薪ストーブ13選

ホンマ製作所 ステンレス時計1型薪ストーブ

型:時計型
本体材質:ステンレス
重量:5.9kg
サイズ(幅・奥行・高さ):40×60×34.5cm
煙突径:106mm



安価で使いやすい薪ストーブのエントリーモデル。同じ型で鉄製のモデルもあり、そちらは更に安い。
天板が4段階で空くので、羽釜や鍋の大きさに合わせることができる。扉には窓が無いが、窓有りの扉が別売されているので、多くのキャンパーが窓有り扉に変えている。
最大50cmの薪まで使える。
足が短いため、金属テーブルなどでのかさ上げが必須。

ホンマ製作所 ストーブコンロセットAPS-48DX

型:時計型
本体材質:ステンレス
重量:6.9kg(本体のみ:約4.6kg)
サイズ(幅・奥行・高さ):28×48×44.5cm
煙突径:100mm



2019年の新商品として、ストーブコンロセット APS-48DXが新たに登場。
時計1型より少し小さいが、40cm級の薪も使用可能。両サイドに観賞用の窓を追加。
付属の煙突は、最大1830mmまで対応。

ogawa(オガワ) ちびストーブ

型:時計型
本体材質:鉄
重量:5.2kg
サイズ(幅・奥行・高さ):28×40×33cm
煙突径:



ホンマ製作所の時計1型に似ているが、こちらの方が一回り小さい。
ストーブの中に煙突などの付属品を全て収納可能なため、持ち運びには便利。収納袋付き。
天板は3段階で空く。中籠が付属しているのでそこに炭を入れて使うことも可能。


キャプテンスタッグ KAMADO(かまど) 煙突 角型ストーブ

型:箱型
本体材質:鉄
重量:10kg
サイズ(幅・奥行・高さ):48×27×26.5cm
煙突径:100mm



角型ストーブとなっているが、むしろ筒型ストーブに近い形状。
天板の直火スペースが大小2か所あるので、調理もしやすい。
値段もリーズナブルで、流石は鹿番長の面目躍如といえる薪ストーブに仕上がっている。


テンマクデザイン TITAN STOVE

型:箱型
本体材質:チタン
重量:2.1kg
サイズ(幅・奥行・高さ):41.4×24×約20cm
煙突径:約90mm



テンマクデザインのウッドストーブと同時期に販売が開始された組み立て式のストーブ。煙突も巻き煙突と言われる、チタン板を丸めて金具に通すタイプのため、組み立てには慣れが必要。そのおかげもあり、収納サイズはL:395×W:231×H:118mmと驚異的な小ささ。バイカー向けの製品として企画されたため、収納性にこだわったとのこと。
小型で、チタン製ということもあり、暖房能力は他の薪ストーブと比べると落ちるが、ソロには最適と言える。


新保製作所 ロマンチカル薪ストーブ

型:箱型
本体材質:鉄
重量:14.8kg(ピザオーブン付18.5kg)
サイズ(幅・奥行・高さ):65×38×39cm
煙突径:106mm


薪ストーブ愛好キャンパーにとってあこがれの薪ストーブ。薪ストーブ界のカーミットチェア。
最大の魅力は何といっても、前面の大きなガラス窓。炎を楽しむには最高の薪ストーブ。天板には、直火調理用の開口部があり、大きさも3段階で調節可能。
新保製作所は全て予約販売のため、早めの予約が必要。

https://www.maki-stove.jp/item/romanchical-stove/

今年から、少し小さめのミニ薪ストーブ”ROSE”も販売開始。



新保製作所 チョッパー

型:箱型
本体材質:鉄
重量:7.7kg
サイズ(幅・奥行・高さ):48.5×33.5×39cm
煙突径:106mm


ロマンチカル薪ストーブでは大きすぎるというキャンパーの声にこたえて制作されたコンパクトなモデル。側面の大きな窓は無いが、扉に大きめの窓がついているので、炎の鑑賞は可能。
新保製作所は全て予約販売のため、早めの予約が必要。

https://www.maki-stove.jp/item/kyanpu-set-h-chopper-m/


G-Stove Heat View

型:筒型
本体材質:ステンレス
重量:9.4 kg
サイズ(幅・奥行・高さ):22×39×24㎝
煙突径:60mm



薪ストーブ愛好キャンパーからも高い評価を得ているG-STOVE。オールステンレス製のため耐久性が高く、耐熱温度は1000度となっている。
本体左右に折り畳み式の台がついているので、スキレットなどを置くことができるのも特徴の一つ。オプションが豊富なため、様々なカスタマイズが可能な点も、評価が高い理由。唯一の弱点は、天板を開けて直火調理できない点。
これより少し大きめのXLというモデルも販売されている。



アネヴェイ フロンティア ストーブ プラス

型:筒型
本体材質:鉄
重量:16.5kg
サイズ(幅・奥行・高さ):28×49×23cm
煙突径:101.6mm



筒形タイプの薪ストーブの定番となったフロンティアストーブの後継モデル。サイズが一回り大きくなり、より大型の薪を入れられるようになった。
煙突径を見直すなど、燃焼効率もアップしている。


ペトロマックス ロキ

型:筒型
本体材質:重量:鉄
重量:12.2kg
サイズ(幅・奥行・高さ):33×52×33cm
煙突径:58mm



ケロシンランタンのHK500で有名なペトロマックスが発売している薪ストーブ。
アネヴェイのパクリっぽいが、扉に窓が無いなど細かいところで仕様が異なる。
筒型タイプの中では最も値段が安い。


テンマクデザイン ウッドストーブM

型:筒型
本体材質:ステンレス
重量:9kg
サイズ(幅・奥行・高さ):20×38×20cm
煙突径:63mm



発売以来大人気で、毎年品薄となる、テンマクデザインの薪ストーブ。
ステンレス製ということもあり、G-Stoveによく似ている。
付属品が多く、直煙突以外に、ダンパー付き煙突×1、スパークアレスター×1、ロストル×1、フタ用リフター×1 がついてくるため、これを買うだけで直ぐに本格的な薪ストーブキャンプができるのが魅力。
一回り大きなLとソロ向けのSも販売されている。







2019年には、側面に大きな窓を追加した、ウッドストーブ サイドビューが新たに新登場。




ホンマ製作所 クッキングストーブ

型:ドラム型
本体材質:鉄
重量:重量:6kg
サイズ(幅・奥行・高さ):35×35×45cm
煙突径:100mm



実売価格が1万円を切っているという破格の薪ストーブ。
天板が4段階で空くので、羽釜や鍋の大きさに合わせることができる。安いが、扉には窓もついているので、多少の鑑賞も可能。
本体が35×35cmと比較的コンパクトなため、長い薪は扉からではなく、天板を開けて入れる方が入れやすい。
足が短いため、金属テーブルなどでのかさ上げが必須。


ホンマ製作所 ストーブカマド

型:ドラム型
本体材質:鉄
重量:15kg
サイズ(幅・奥行・高さ):40.5×55×68.5cm
煙突径:120mm



クッキングストーブを一回り大きくしたような薪ストーブ。
天板が2段階でしか開かないのは少し残念だが、40cmの薪まで入るため、殆どの市販の薪に対応している。
足が短いため、金属テーブルなどでのかさ上げが必須。


さて、色々と薪ストーブを紹介しましたが、私のおすすめは、ホンマ製作所のストーブコンロセットAPS-48DXとテンマクデザインのウッドストーブです。どちらもステンレス製で、メンテナンスが簡単というのが最大のポイントです。
本命は新保製作所のロマンチカル薪ストーブですが、これは既に予約が埋まっており、2020年9月現在で予約しても手に入るのは来春以降になります。

ホンマ製作所のAPS-48DXは、サイズがコンパクトで軽量ですのでキャンプに向いています。脚が短いのでスチール製のテーブルに乗せるなどの工夫は必要ですが、時計1型ストーブに比べ、扉と両サイドに窓が追加されており、値段も2万円台とコスパが良い製品です。ホンマ製作所の薪ストーブは、一部のホームセンターでも取り扱われており、煙突の追加購入も含めて比較的簡単に入手できる点もポイントです。

テンマクデザインのウッドストーブは、S/M/Lと3種類の大きさから選べるので、ソロから大人数まで、キャンプスタイルに合わせて選ぶことが出来ます。本体横に大きめの窓を付けた「サイドビュー」は更に魅力的な商品ですが、大人気商品ですので、WILD-1の店頭で見つけたら即買うことをおすすめします。

G-Stoveはオプションパーツが豊富で、煙突に取り付けられるパイプオーブンなど、魅力的なアイテムが揃っていますので、よりカスタマイズして色々と使いたい方に向いています。




私は、テンマクデザインのiron-stoveちびと、ウッドストーブMを使っています。
iron-stoveちびは、生産終了になってしまいましたが、箱型で庫内が広く、調理に向いているので重宝しています。


庫内にスキレットを入れてグラタンなどが作れ、工夫次第では、薪ストーブ下でピザを焼いたりすることもできます。


一方、ウッドストーブMは、コンパクトで扱いやすく、オプション品が豊富なのが特徴。重量も9kgと比較的軽量なため、ソロからファミリーまで、様々な場面で活躍しています。


庫内が狭いため、あまり多くの薪が入らないのが難点ではありますが、吸気口とダンパーを上手くコントロールすれば、クロンダイクグランデのような大きなテントでも、これ一つで十分な暖房効果が得られます。

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近年は、アウトドア用薪ストーブの人気が高まってきており、次々と新商品が発売されています。
皆さんも、薪ストーブで暖かい冬キャンを楽しんでみてはいかがでしょうか。


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