女性や子供でもできる簡単薪割!手斧で薪を安全に割る方法

キャンプtips 焚火

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丸太を叩き割るような本格的な薪割はこちらで紹介したので、今回はキャンプでよく使う小割を作る薪割の方法を解説します。

斧と薪割台

薪の太さは、焚きつけ用と火力用で分ける

キャンプで焚火をする時、皆さんはどのようにしているでしょうか。
キャンプ場で最もポピュラーな焚火台を使う場合の、火おこしの方法を簡単にまとめると、以下の手順です。

  1. 新聞紙、または杉葉などの燃えやすい物を焚火台に入れる。
  2. 小枝、小割の薪を入れる
  3. 中割の薪を上に乗せる
  4. 火を付ける
  5. 燃え方を見ながら中割の薪を足す
  6. 火力が大きくなったら大割の薪を入れる

枝や薪を拾うことから始められるキャンプ場は少ないので、一般的には販売されている薪を使うことになります。販売されている薪も様々で、太い物から細い物、種類も針葉樹か広葉樹など様々です。しかし、火を熾(おこ)して薪に火を付けるのは初心者には結構難しいです。ガスバーナーを使うという手もありますが、ある程度の太さがあるとバーナーでも簡単には燃えてくれません。実は、火熾しで一番重要なことが、薪の太さです。薪は細ければ細いほど、火が着きやすく燃えやすいです。多少湿っていても、割りばし程度の太さにすれば、結構燃えてくれます。そこで重要になってくるのが、細い薪を作るということです。
普通に薪を購入すると、細くても5cm程度の太さがあります。このままの薪に直接火を付けるのは、バーナーでも難しいです。そこで、小割にしていくわけですが、太さに注意する必要があります。


小割:直径1cm程度の細い薪。割り箸ぐらいの細さが目安。
中割:直径3~5cm程度の薪。大人であればぎりぎり素手で折れるぐらいの太さ。
大割:直径10cm以上の薪。火力のメインとなる。燃えても熾火として長時間火力を保つ。

火を熾す時に、最も火が着きやすい小割を10~20本、その上に中割を5~6本置いて火を付けると、全体に火が回って上手く燃えてくれます。小割はあくまで焚きつけですので、数分で燃え尽きます。その間に中割に火を付け、火力を上げていき、最終的には大割数本を入れて火力を安定させます。

以上のように、火熾しには小割が重要と言うことになります。逆に言うと、小割を作る必要がある、つまりは薪割が必要ということです。

小割に向いているのは鉈?それとも斧?

さて、薪割というと、一般的には鉈を思い浮かべると思います。鉈はホームセンターなどでも売っていますし、薪割だけでなくちょっとした藪払いにも重宝するため、山菜取りなどでもよく使われています。鉈は、片刃と両刃がありますが、薪割に向いているのは両刃です。片刃の方が刃が鋭く(刃の角度が鋭角)、切れ味が良いとされています。しかし、片刃の鉈は、上から切ると、刃の付いていない側に傾いて切れる特性があるため、薪割などでは斜めに切れてしまうので、両刃の方が良いです。
では、鉈と斧を比べると、どちらが良いでしょうか。

鉈
出典:ユニフレーム

鉈は、柄に長い刃が付いた包丁に似た形状をしています。刃が長いので、薪に刃を当てやすく、柄も短いので、コントロールしやすいです。しかし、重量が斧に比べると軽いので、パワーに劣ります。刃厚も5~6mmなので薪を割る力が弱いです。
小割を作る薪割と言えば、鉈というイメージがありますが、これは日本では、昔から薪材としては杉や松などの針葉樹が使われていたからです。針葉樹は材質が柔らかく、木目も縦に直線状で割りやすいため、パワーよりコントロール性の高い鉈が好まれたためです。


斧
出典:ハスクバーナ

斧は、長い柄の先に斧頭が付いており、そこに重さが集中しています。刃が短いので、薪に刃を当てるにはコツが要ります。鉈に比べて、長い柄を振って、重い斧頭を薪に命中させる必要があるため、コントロールが難しいですが、その分パワーがあります。刃厚も鉈より厚いため、薪を割る力が強いです。
針葉樹であれば、鉈でも十分に割ることが出来ますが、材質が固く木目も複雑な広葉樹は、よりパワーが必要となりますので、斧が向いています。

以上のように、針葉樹であれば、コントロール性の良い鉈で十分、広葉樹であれば、よりパワーのある斧が必要と言うことになります。
針葉樹の薪でも火力はあるのでそれなりに使えますが、料理に使うのであれば、火持ちが良く煙の少ない広葉樹が良いので(詳細はこちら)、キャンプでの薪割には斧をぜひ使ってみてください。

小割に向いている手斧(ハチェット)

斧
左からスプリッティングアックスの80㎝と50㎝、キャンプ用斧38㎝

基本的には、直径10cm程度の薪を小割にするための斧ですので、片手で使える斧が良いです。重くて長い薪割用斧(スプリッティングアックス)もありますが、これは丸太を割るための斧ですので、小割には向いていません。
ですので、柄の長さが40cm前後で片手で使える手斧(ハチェット)をおススメします。

ハスクバーナ 手斧

ハスクバーナは、チェーンソーなどの林業関連の製品で有名な、スウェーデンンの会社です。
手斧は、全長38cm、重量998gとコンパクトで、キャンプで持ち歩くにも丁度良い大きさです。鋼材も良質の炭素鋼であるスウェーデン鋼を使用しており、切れ味も抜群です。



ハスクバーナ キャンプ用斧

手斧に比べて、刃の長さが少し長く、斧頭は少し薄く作られていますので、手斧より若干軽いです。


また、本革製のエッジカバーが付いているのですが、斧頭全体を覆うような形状になっており、腰に下げるためのベルトループもついているなど、凝った作りになっています。



ハルタホース スカウト

ハルタホースも、ハスクバーナ同様スウェーデンンの会社です。
スカウトは、ハスクバーナの手斧と同じく38cmで重量も約900gと、似通ったスペックになっています。
鋼材も、ハスクバーナ同様のスウェーデン鋼です。実は、ハスクバーナの斧はハルタホースのOEMです。



ハルタホース オールラウンド

スカウトの柄の長さを44cmに伸ばしたモデルです。柄の長さが長いため、遠心力を活かして薪割を行う場合には、より威力を発揮しますが、その分コントロール性が低下するので注意が必要です。



バーコ ハチェット

バーコは、スウェーデンに起源をもつ工具製造会社です。現在はアメリカのスナップオン社に買収されましたが、バーコのブランド名は残っており、世界中に愛用者がいます。
バーコのハチェットは、長さ36cmとハスクバーナ手斧などに比べると2cm短いですが、ほぼ変わらない使い心地です。切れ味は、元々あまり研がれていないこともあり、箱出しでは良くありません。また、工具鋼ですので、ハスクバーナやハルタホースのスウェーデン鋼に比べると、研いでも切れ味は劣ります。



斧を使った薪割は、斧の重量と刃の厚みで薪を割く(さく)という動作になるため、刃の切れ味はあまり関係ありません。
ただ、後述するように、小割を作成する場合は、最初に刃を薪に食い込ませる必要があるため、切れ味の良い斧の方が使いやすいです。
多少切れ味が悪くても薪を割ることはできますが、効率と気持ち良さ(これが重要!)を考慮すると切れ味の良い、ハクスバーナやハルタホースをおススメします。

安全に割るための薪割台

薪を割るに当たって、ある意味、斧以上に重要なのが薪割台です。
地面に直接薪を置いても割れなくはないですが、地面が芝や柔らかい土などの場合は、薪に対する斧の衝撃エネルギーが地面に逃げていくので、中々割れなかったりします。また、砂利などの多い地面だと、最後まで割り切った時に地面に斧の刃が当たって、刃が欠けたりします。
また、安全面でも、しっかりした台の上に置いて薪を割ることは重要です。不安定な場所に薪を置いて割ると、薪に対して垂直に力がかからず、バランスを崩して薪が飛んでいったり、斧が正確に当たらずに刃がそれて最悪怪我につながることもあります。
薪割台に最も向いている木は、樫(カシ)です。比重が重く、非常に硬い木なので、薪割の時に斧が当たっても大丈夫です。
樫が手に入らない場合は、欅(ケヤキ)か椚(クヌギ)でも良いでしょう。どちらも樫に次いで硬い木です。





安全な小割の作り方

薪割で最も重要なことは、安全性です。まずは、鉈と斧に共通する安全性について解説します。
鉈も斧も、それなりの重量があって刃が付いているので、それを振り回すに当たっては、充分安全に気を使ってください。
まずは、鉈・斧を振り回す前に周囲に人がいないか確認してください。特に前方に人がいると、振り下ろした時にすっぽ抜けると、前に飛んでいくのでとても危険です。通りに面した場所などでは薪割は厳禁!
それから、割った薪は左右に飛んでいきますので、左右も注意しましょう。鉈は割く(さく)力が弱いので、あまり飛んでいきませんが、斧は鉈よりも割く力が強いので、割った薪が飛んでいくこともあるため、周囲1~2mには人がいないことを確認してください。

割る動作としては、振りかぶって割るのではなく、薪を手でもって、それに刃を当てた状態で、「とんとん」と薪割台に叩きつけるように割っていきます。こうすれば、斧でもコントロールが簡単で、安全に薪を割ることができます。

斧の刃を薪にあてて持ち上げる
斧の刃を薪にあてて持ち上げる

斧と薪を台に叩きつけるように落とす
斧と薪を台に叩きつけるように落とす

ある程度薪に刃が食い込むと、両手で斧を持てる
ある程度薪に刃が食い込むと、両手で斧を持てる

両手で斧をもって、薪を台に叩きつける
両手で斧をもって、薪を台に叩きつける

この割方は、鉈・斧に共通の割方ですので、ぜひマスターしてください。細い小割を作るには、コントロール性が重要になりますので、斧でもパワーよりコントロール性を優先したこの割方が向いています。
最初に刃を薪に食い込ませる時の薪割台に叩きつけるやり方が難しい場合は、薪に刃を当てて、その上から別の薪で斧を叩く「バトニング」と言う方法を試してみてください。薪で叩くので腕力が要りますが、この方法でも簡単に割ることができます。

斧を使って安全に大割の薪を割る方法

太さ10cm以上の大割の広葉樹を割っていくには、それなりのパワーが必要となります。上記のやり方でも割れますが、よりダイナミックに割るやり方を解説します。
安全性に気を付ける部分は、小割と同じですが、斧のパワーを引き出すために、降りかぶって一気に振り下ろす動作になりますのでより注意が必要です。


まず、薪割台に薪を置き、少し離れた位置に跪きます。


膝立ちになった状態で、手を伸ばした状態で斧が当たる位置に移動します。
膝立ちは、背筋が自然と伸びるので、斧の刃筋がブレずに振り下ろせるため、立って振り下ろすより精度が上がります。


また、膝立ちの姿勢になることで、斧がそれても自分には当たらないようにすることができます。


斧を頭の上ぐらいまで降りかぶって、一気に振り下ろします。


この時、円を描くことを意識するとぶれずに振り下ろせます。力を入れるとぶれるので、うまく薪に当てることが出来なくなります。
斧で薪を割るためには、遠心力を使って斧頭の重量を増幅することが重要です。あくまで腕力ではなく、遠心力で割ります。
この割り方だと、手斧でも慣れれば一発で割ることができるので、とても気持ちが良いです。

最後に、薪を割る時には、必ず手袋をしましょう。手袋をすることで、薪を割る時の衝撃から手を守ることが出来ます。また、直接薪を持つのでトゲささり防止にもなります。手袋は軍手でも良いですが、その場合は必ず滑り止めのついたものを選んでください。

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沼にハマると抜け出せなくなる性格の40代おっさん。関西出身で現在は東京都在住。嫁と娘の3人家族で年間30泊ほどキャンプに行って飲んだくれている。

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