ヴィンテージテントの専門店「パジャマムーン」が企画・設計したテントBAU(バウ)。
その欧州ヴィンテージテントを彷彿とさせるデザインは、私を一気に虜にしてしまい、気が付いたらポチっていました(苦笑)。
クラウドファンディングで受付が始まったのが、去年の11月。それからおよそ5カ月経った4末に我が家へ到着。
到着した箱があまりにも大きかったので、チョット焦ったが、中身はそれほどでもなく想定内の大きさ。 |
ギリギリGWに間に合ったので、早速初張りしました。
PAJAMA MOONのBAUについて
PAJAMA MOON(パジャマムーン)は、マルシャルやキャバノンといった欧州テントメーカーが作っていたヴィンテージテントを専門に取り扱っている輸入販売店です。
そんなパジャマムーンが、クラウドファンディングで資金を集めて制作したのが、BAU(バウ)です。
TOKYO outside Festival 2022 in 昭和記念公園にて展示されていたBAU。 思えばこれが運命の出会いだった(笑)。 |
マルシャルやキャバノンなど、1960~80年代に流行った欧州テントの特徴は、鉄骨フレームのロッジタイプにあります。
マルシャル 出典:PAJAMA MOON |
ロッジテントは、居住性が良く、長期間のキャンプに向いています。
これは、私の想像ですが、ヨーロッパでは狩猟が趣味の一つとして認知されており、テントを利用した長期の狩猟旅行がバカンスなどで行われていたのだと思います。長期滞在するのですから、居住性が重要視され、ドームテントなどよりロッジテントの要望が高かったのでしょう。
というのも、欧州ヴィンテージテントは、6人以上対応の大型幕が多く、重量も40kgを超える物も珍しくありません。設営もかなり大変なので、毎日移動しながら旅をするというのは考えにくいです。寧ろ、ベースキャンプとして設置し、そこを拠点にして周囲へ狩りに行くというスタイルだったのでしょう。
また、大型窓があるモデルが多く、幕内で調理できるスペースが確保されているなど、機能性にもかなり拘って作られています。こうした機能は、長期滞在をして、狩猟した獲物を調理して食べるなどに向いています。
狩猟は、ヨーロッパの静物画にも見られる通り、元々貴族の文化として発展してきました。狩猟をモチーフにした絵画は、17~8世紀には狩猟画という1つのジャンルになるぐらいですから、狩猟文化が旺盛だったことが分かります。それが、19世紀以降に市民にも広がり、特にフランスでは、今でも鴨や鹿、猪などを対象としたハンティングが盛んにおこなわれています。日本では、近年ジビエブームが起こっていますが、フランス料理では、伝統的に鴨や鹿などのジビエが使われています。料理の中から散弾が出てくると、幸運が来ると言われているぐらい、狩猟が身近に行われているのです。
さて、BAUに話を戻しましょう。
BAUは、鉄骨フレームを使用したロッジタイプのテントです。ロッジタイプのテントは、オガワのロッジシェルターなどに見られるように、足が6本の物が主流ですが、BAUは4本と小型化されています。
BAUのモチーフになっている欧州ヴィンテージテントも、殆どが6本以上ですから、それに比べるとかなり簡便に建てられるようになっています。
全体的な形状としては、中央の横方向に梁となるフレームが入っており、リビングの方が少し高くなっています。
正面中央には、大きな窓があり、付属のカーテンも80年代を思わせるデザインで、ヴィンテージ感を煽っています。
出入口は左右にあり、どちらもメッシュスクリーンが付いています。
また、左側の出入口は、巻き上げるだけでなく、付属ポールを使って跳ね上げることも可能。
幅が短いのでタープとしては物足りませんが、ちょっとした木陰を作るのに便利です。
小型化されているため、リビングはそれほど広くありませんが、インナーテントは、大人3人なら楽々、大人2人+子供2人のファミリーでも充分利用できるサイズです。
インナーテントには、背面側に大きくメッシュスクリーンのスリットが入っており、通気性も考慮されています。
背面パネルにベンチレーターが無いため、風通しについてはやや劣りますが、リビング前面のパネルも跳ね上げることができるので、ここまですると風通しも抜群になります。
しかも、大型窓があるため、まるでガラステラスのような雰囲気を楽しむことができます。
組み立てについて
BAUは、組み立てに関してはそれほど難しくはありません。
フレームには、番号が振ってあるので、番号同士を嵌め込んでいくだけで建てられます。
マニュアルもカラーで、丁寧に説明されており、Youtubeに設営動画も上がっていますので、初心者でも迷うことは無いと思います。
フレームは、ジョイント部分も全て鉄なので、物凄くガッチリした造りになっています。あまりにも剛性が高く、遊びが無いので、前側から順番に組み立てていかないと、途中でフレームが嵌らなくなるぐらいです。
ちなみに、オガワのロッジシリーズは、ジョイントがプラスチックで多少の遊びがあるため、より組み立てやすいのですが、剛性感に劣ります。
ただ、これはどちらが良いというのではなく、設計思想の違いと言えます。
ペグは、スチール製で、本体幕を留めるメインのペグと、ガイロープを留めるペグの2種類が付属しています。
品質的には、お世辞にも良いとは言えませんが、他のテントメーカーも同様ですから文句は言えません。
それよりも、ガイロープに感動しました!
直径6mmという、明らかにオーバースペックのロープに、木製の自在が付いています。
ヴィンテージテントを演出するために、ここまでやるか!!
パネル跳ね上げ用のポールも鉄製で、全部で4本付いていますから、買い足す必要もありません。
こういった細かい点まで対応しているのは、普通のメーカーには無い良さです。
使ってみて気が付いたこと
BAUは、ヴィンテージテントを知り尽くしたパジャマムーンが設計しているだけあって、拘りを強く感じる仕上がりになっています。
ポリコットンの風合いといい、色使いといい、とても雰囲気の良い仕上がりになっています。
一方、高い剛性から、風が吹いてもビクともしないのはすごいです。ロッジタイプのテントは、側面に風をモロに受けるため、強風には不利なのですが、ガイロープをしっかり張っておけば、かなりの強風に耐えることができそうです。
デザイン面では、ヴィンテージテントの良さを残しつつ、前面パネルが跳ね上げられるなど、現代のテントに見られる機能も採用されており、デザインと機能性が高レベルで融合しています。
惜しむらくは、庇が無いことですが、これはまあ、タープの張り方などで工夫すればどうとでもなるかと。
さて、唯一の欠点は、メイン幕を入れる収納袋がピッタリすぎることでしょうか。
ポリコットンは、生地が固いため、キレイに畳むのが難しく、どうしても使用後の方が大きくなってしまいます。
何事も適当な私は、収納も入っていれば良しとしていますので、こんなもんでOKですけどね(^_^;