我が家には、年中行事のように季節になると行くキャンプ場がいくつかあります。
猪苗代湖モビレージは、そんなキャンプ場の一つで、毎年1月に雪中キャンプを楽しみに行くキャンプ場です。そのため、猪苗代湖モビレージには、真冬の季節しか行ったことが無いのですが、夏場は湖水浴やカヌーで猪苗代湖を楽しむことができる湖畔のキャンプ場です。
我が家にとっては、雪のイメージが強い猪苗代湖ですが、今年はパックラフトを購入したこともあり、湖畔のカヤックツーリングを楽しむため9月下旬に訪れました。
猪苗代湖は、日本で4位の面積を誇る湖です。活火山である磐梯山の影響を受け、湖水は酸性のため、プランクトンが少なく透明度が高いことも特徴です。
そんな、美しい湖を堪能しようと思ったのですが、思い通りにならないのが我が家のキャンプ(笑)。今回も、ドタバタでした。
東京から車で約4時間、東北自動車道から郡山ジャンクションで磐越道を新潟方面へ走ると、真冬なら一気に雪景色となるところですが、季節は初秋ですからまだまだ緑豊かな風景が広がります。
猪苗代磐梯高原ICを下りて直ぐの場所に、「道の駅猪苗代」があります。
娘は、真冬しか来たことがないので、一言。
「雪が無いのって新鮮~、歩きやすい~」
今年の1月の道の駅猪苗代。 |
いつもは雪化粧の磐梯山も・・・
曇っていて見えませんが、緑が濃いです(苦笑)。
12時を回ったところだったので、娘は「お腹すいたー」と、駐車場前で販売していた白桃のクレープをパクリ。
桃タップリで(゚д゚)ウマー
と、道の駅でゆっくりしたところで、猪苗代湖モビレージへ。
私も、雪の無いモビレージは初めてなので、新鮮です(笑)。
冬は、白鳥のいるキャンプ場奥の畔もこの通り。
今回は、予報では少し雨が降りそうだったので、ツールームとヘキサタープの組み合わせ。
テントは、オガワのファシル、タープもオガワのシステムタープヘキサDX。
天気の状況が分からなかったので、ツールームにしつつ、雨対策も兼ねてヘキサタープとの組み合わせ。
流石に、小型とは言えツールームのファシルと組み合わせるので、出入口をタープ下に入れる小川張りでは、リビングスペースがとれないため、ツールームを横向けにした変形の小川張りに。
タープ下のリビングからテント内への導線が微妙ですが、狭小サイトでも2ルームとタープが張れるのはメリットです。
この日は、結構風が強かったので、タープのガイロープも、風を受け流せるよう少しゆるめに張りました。
さて、サイト設営が終われば、昼食もそこそこに、パックラフトで猪苗代湖へ漕ぎ出します。
ところが、思った以上に風が強く、パドルを漕ぐのを止めると直ぐに岸へ吹き戻されます。
それでも、曇り空の下、時折青空も覗かせるなど、雨が降らなかったのは良かったです。
ただ、沖へ漕ぎ出すと、更に風が強く、湖にしてはかなりの波がありました。
モビレージ周辺は、小さな入り江になっているのでまだマシでしたが、沖は漕ぎ進めるのも一苦労。パックラフトは、風の影響を受けやすいため、ゆっくりとツーリングを楽しむというのには程遠い状態。
本当は、キャンプ場から1時間弱の距離にある翁島まで行って、周遊しようと思っていたのですが、この風では行くのも困難と思い断念。
その代わり、日橋川河口を1周することに。
日橋川は、水門があるので遡上できませんが、河口域は2本に分かれており、島のようになっています。その上を国道49号線が通っていて、それぞれ金の橋と銀の橋という橋がかかっています。
この水域は、風の影響を受けずに漕ぎやすいだろうということで、ここへ向かいます。
猪苗代湖側から日橋川方面を望む。 奥に見えるのが金の橋。 |
予想通り、流れも殆ど無く、マッタリ派の我が家にとっては理想的な水面。
と、ここで問題発生!!
我が家の使っているパックラフトは、1人乗りのローグライトと、2人乗りのトウェインで、ローグライトに娘、トウェインに私と妻が乗っていたのですが、風の影響で娘が遅れ気味に。
まあ大丈夫だろうと、私たちが先行して川に入ったのですが、娘は川筋を無視して直進!
妻が慌てて呼びますが、100メートル近く離れた水上で、しかも強風とくれば聞こえるはずもなく。
妻「あの●●!何しとんねん!!」
私「しゃーないやん。気づかんかったんやから。」
妻「こっちや!ちゃんと周り見ろ!●#%ぐ@&★!!!」
私「・・・聞こえへんて・・・(苦笑)」
既に、川筋を進んで金の橋を過ぎていた私たちは、慌てて娘の後を追う羽目に。
空は、雲が出てきて、益々荒れ気味に。
流石の私も、少し焦って、パドルを漕ぐ腕に力が入ります。
で、大急ぎで猪苗代湖に戻って探してみると、漕ぐのを諦めて、上陸して湖畔を歩いている娘の姿が見えました。
近づいて声をかけると、ようやく私たちに気が付いた娘は、再びパックラフトに乗船。
戻ってきて、開口一番「どこ行ってたん?」
そら、こっちのセリフじゃーっ!!
私「何であんなとこ歩いとったん?」
娘「風に流されて、岸に近づいたから、めんどくさなって歩いてた。」
私「お父さんら、川の方に入るの見えへんかった?」
娘「全然、見てなかった」
┐(´д`)┌ヤレヤレ
とは言う物の、娘と無事合流できたので、川筋に戻ることに。
娘は、「もう疲れた、しんどい」と弱音を吐きますが、川に入れば風も無いからと、なだめて漕ぎ進めます。
流石に、猪苗代湖は風が強くても、川沿いは穏やかですから、漕ぎやすさは雲泥の差。
暫く、まったりと漕ぎ進みます。
これで、終わればハッピーエンドだったのですが、今日のトラブルはこれでは終わりません。
私の計画では、金の橋を越えてぐるっと回るつもりだったのですが・・・
銀の橋の方へ向かう水路。 この先には、今回最大の難所が待ち受けていた。 |
銀の橋方面への川筋を進もうとすると、大量の水草が。
娘「めっちゃ草あるで!」
私「しゃーない、行けるとこまで、行こ」
と、漕ぎ進めますが、とたんに水草に絡まって、漕ぐのも大変な状態に。
特に、2人乗りで、しかも80kgオーバーの私が乗るトウェインは、じきにウンともスンとも動かなくなりました。
仕方が無く、水面に下りて押そうとすると、底は泥が溜まって沼のような状態!!
何とか、先へと押して進むも、その先は更に水草が水面を覆っています。
私よりも軽い、娘のローグライトも水草にとられて停止。
娘「お父さん、進めへん!」
私「あかんわ、戻ろ」
娘は、辛うじて自力で脱出。私は、沼のような中を、膝上までつかりながらパックラフトを押して辛くも脱出。
いやー、マイッタ、マイッタ。
娘や妻は、パックラフトから降りなかったので無事でしたが、私は泥の溜まった水底に脚を取られながら歩いたので、おかげで泥だらけに。
あまりのことで、写真を撮り忘れましたが、トウェインの私の座席は、足に巻き付いた水草や泥やらで、大変な惨状になってしまいました(T_T)
そこで思い出したのが、サルガッソーです。
出典:ウィキペディア |
サルガッソー(サルガッソ海)は、メキシコ湾流、北大西洋海流、カナリア海流、大西洋赤道海流に囲まれた海域で、そこに浮遊する海藻「サルガッスム」にちなんで名づけられました。
この海域は、各海流に囲まれた海域で、風も少なく、帆船の時代には、この海域に入ったら、海藻に絡まって抜け出せなくなる「船の墓場」と言われていました(あくまで伝説ですが)。
いささか大袈裟ではありますが、私の体験も、正にサルガッソーのようなもので、水草にパドルを取られるだけでなく、パックラフトに絡みつくため、見た目以上に進まなくなりました。
まさか、この年で、しかも湖水でサルガッソーを体験するとは思ってもみませんでした(苦笑)。
さて、この日の晩御飯は、鉄板焼きにしたのですが、昼間から吹く風は止むことなく吹き続け、焚火も断念したほどですから、早々に切り上げテント内でくつろぎました。
初秋とは言え、風は体温を奪いますから、防風のジャケットを着ていても体が冷えてしまいます。
こんな天気だと、やっぱり2ルームは便利です。鉄板焼きの〆は焼きそばにしたのですが、調理だけタープ下で行い、アツアツの鉄板のままテント内で食べることができました。
最後は、予備として持ってきたOPTIMUSの8Rで、お湯を沸かしてお茶に。
結局、風は翌日も吹き続け、予報では5m程度でしたが、体感的には時折10m以上に感じる突風が吹いていました。
タープが持つか心配だったのですが、流石はオガワ、最後まで問題ありませんでした。
トラブルはありましたが、湖畔を楽しめたキャンプでした。
次回は、雪中キャンプでお邪魔することになると思います!!