コンパニオンスパークはモーラナイフの新定番となるか?

2021年5月17日

ナイフ沼

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モーラナイフと言えば、キャンパー定番のナイフですが、中でもcompanion(コンパニオン)というシリーズが人気です。companionとは、英語で「仲間」「(旅の)連れ」という意味で、モーラナイフ以外でも、ナイフの商品名に時々使われています。

モーラナイフのコンパニオンシリーズで最もポピュラーなのは、コンパニオン ヘビーデューティーでしょう。

モーラナイフの代名詞、コンパニオン ヘビーデューティ MG。

刃長104mm、刃厚3.2mmのシースナイフで、価格が3,000円を切っていることもあって、多くのキャンパーから支持されています。ブレードは、炭素鋼のモデルとステンレスのモデルがあり、何れも高い切れ味を誇る、コスパの良いナイフです。
詳細は、以前レビューしているのでこちらを参照ください。

弟分には、刃厚が2.5mmと少し薄くなったコンパニオンがあり、こちらも炭素鋼とステンレスのモデルがあります。他にも、波刃のコンパニオンSRTなどがあり、カラーバリエーションも含め豊富にラインアップされています。

そんなラインアップに、2019年、新たに加わったのが、今回取り上げるCompanion Spark(コンパニオン スパーク)です。


Companion Spark
■刃長:約104mm
■全長:約238mm
■刃厚:約2.5mm
■重量:92g(ナイフのみの重量)
■鋼材:ステンレススチール

サイズとしては、基本的にコンパニオンと同様です。ブレードやハンドルのデザインも基本的には変わりません。

写真上はコンパニオンヘビーデューティーステンレス。

デザインもサイズも同じため、シースを交換することも可能。

コンパニオン スパーク(以下スパーク)の最大の特徴は、ハンドル内にファイヤースターターが内蔵されていることでしょう。


ブレードのスパイン(峰)の角が立っているので、ファイヤースターターを擦って火花を飛ばすことが可能です。

ヘビーデューティーはスパインの角が取られて丸まっているが、スパークは直角に処理されており、角が立っている。

最近のモーラは、ブッシュクラフトを意識して、いくつかのモデルでファイヤースターターを擦れるようにスパインを処理していますが、それらのモデルに共通して言えることが、ブレードの表面処理が粗いことです。


これは、ブレードを磨く仕上げ処理を行うと、スパインのエッジが削れて丸くなってしまうのを避けるためだと思います。

では、詳細をレビューしていきましょう。

切れ味


切れ味は、コンパニオンシリーズ譲りですので、箱出しでも良く切れます。
鋼材は、カタログ等にはステンレススチールとしか記載されていませんが、他のコンパニオンシリーズ同様Sandvik社の12C27ステンレスでしょうから、耐食性、耐摩耗性に優れています。実際に使っていても、安価なナイフに使われる420系鋼材よりも、エッジ保持や耐摩耗性について上に感じるので、良い鋼材だと思います。
ここ一発での切れ味は、炭素鋼に譲りますが、フェザースティック作りなどでも充分な切れ味を発揮します。
ブレードの硬度について、正式なアナウンスはありませんが、米国のモーラナイフのWEBサイトを調べると、炭素鋼はロックウェル硬度でHRC58-60に調整されているとありますので、スパークも同様だと思います。使っていても、多少チップしやすく感じますので、耐久性より切れ味に振った硬度に調整されているようです。

耐久性

エッジにはマイクロベベルが施されている。

耐久性についても、切れ味同様、他のモーラナイフと変わりません。スパークは、最初からエッジにマイクロベベルが付けられているので、より実用的に仕上げられています。
モーラのブレードは、全体的に耐久性より切れ味に振られているため、マイクロベベルが無いと、軽いバトニングでもすぐにチップします。
私は、箱出しよりも、もう少しマイクロベベルをしっかり付けて使っています。

刃厚は2.5mmと、ヘビーデューティーよりも0.7mm薄いですが、通常の用途で差を感じることは無く、ブレード全体の剛性も充分あります。

刃厚3.2mmのヘビーデューティーと比べると、僅かに薄いが、こうして比較しないと分からないレベル。

タングは、ナロータングでかなり細いため、本格的なバトニングには不向きですが、杉などの針葉樹薪を割る程度なら、全く問題ありません。

握りやすさ・取り回し


基本的に、コンパニオンシリーズ共通の形状ですから、握りやすいです。ラバー製のグリップは、十分なトラクションが掛かるため、手が濡れていても滑ることがなく、魚を捌いたりするのにも適しています。
刃長104mmというのは、様々な場面で汎用的に使える長さですから、取り回しが良く、ナイフ初心者でも使いこなすことができるサイズです。

使い勝手


ナイフとしての使い勝手は、コンパニオンと名乗るだけあって、上々の仕上がりですが、スパークの特徴は、何と言ってもファイヤースターターを内蔵していることですから、これ抜きには語れません。


そのファイヤースターターですが、正直微妙です。ストラップも付いているので、使い勝手は悪くは無いのですが、使い易くはありません。


1つは、ファイヤースターターのグリップ形状です。ハンドルと一体構造ということもあり、グリップ形状がゴロンとしていて指で保持しにくいです。


ロッドの長さや太さについても、ファイヤースターターとして最もポピュラーな、LIGHT MY FIRE(ライトマイファイヤー)スカウト2.0と同程度ですから、決して悪い訳ではありませんが、もう少し長い方が火花を飛ばしやすいです。

※ファイヤースターターの詳細については、以前まとめていますので、ご興味のある方はこちらをご覧ください


ちなみに、ファイヤースターターは、ハンドルのバットと一体になっており、ひねって着脱するようになっています。



しっかりと留まっているので、不意に外れて落ちることもなく、モーラの設計の良さを感じます。


ファイヤースターターを擦るスパインについては、既に述べた通り角が立っていて、大きな火花を飛ばすことができます。下手なストライカーより、よっぽど出来が良く、ロッドの削り具合も良好ですから、使い勝手は良好です。

総評


ナイフ自体は、定評のあるコンパニオンがベースですから、切る、削る、割るという基本はしっかり押さえられています。
ステンレスですから錆にも強く、初めての1本に向いていると思います。

結局は、ファイヤースターターをどう評価するかということに尽きますが、ここで問題点を挙げておきたいと思います。そもそも、ファイヤースターターをナイフで擦って火花を飛ばすことは、推奨できません。ファイヤースターターの火花は軽く1,000℃を超えるため、ブレードを痛めるからです。

ファイヤースターターを擦った後。ブレード全体に火花が飛んだ跡がある。

早々あることではありませんが、火花の大きさによっては、エッジが溶けてしまう場合もあります。また、ブレードが焼き戻ると、研いでも直せないので更に深刻なダメージとなります。
ナイフの鋼材は、焼き入れ・焼き戻しという熱処理を行うことで、硬度や靭性が調整されています。ですから火花の高熱がエッジに当たると、折角の熱処理が狂ってしまい、刃の切れ味が落ちてしまうのです。

とまあ、以上が基本になる訳ですが、スパークの場合は、ファイヤースターターを使って遊ぶことが前提になっているのですから、多少ブレードを痛めることを承知でガンガン使うというのが正しいスタイルだと思います。
値段も、3,000円ちょっとですから、少々痛んだところで、財布も痛みません(笑)。ファイヤースターターがすり減っても、スパーク用ファイヤースターターが別売されていますので、交換すればいくらでも使えます。
また、スパインがストライカーとして非常に優秀ですから、もっと太くて長いファイヤースチールを購入して併用するのもアリです。中華製の安いファイヤースチールは、ストライカーがダメダメなので、スパークと合わせて使うと、大きな火花を飛ばすことができます。


子供向けのナイフとして考えると、ブレードの長さについては、もう少し短いPROシリーズの方が向いているとは思いますが、このナイフを最初の1本としてプレゼントするのは良いと思います。

迷うのは、やっぱりヘビーデューティーとの比較でしょう。僅かとは言え刃厚がより厚く、値段も安いので、悩むところです。ただ、単純にコストだけで比べると、ヘビーデューティーとライトマイファイヤースカウト2.0の組み合わせで5,000円を超えるので、3,500円程のスパークに軍配が上がります。

ちなみに、私は、娘が小学校5年生の時に、ヘビーデューティーMGとスカウト2.0をプレゼントしました。娘は、これまで怪我もなく、キャンプでフェザースティック等を作って、火起こしを楽しんでいます。
当時は、スパークが未発売で、ヘビーデューティーのステンレスも無かったので、炭素鋼モデルのMGを買いましたが、スパークが売っていればそちらを買ったと思います。


スパークは、コンパニオンシリーズの中で、唯一スパインの角が立ったナイフですから、これ1本で、バトニング、フェザースティック、火起こしと、焚火の基本が学べるとても良いナイフと言えるでしょう。





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沼にハマると抜け出せなくなる性格の40代おっさん。関西出身で現在は東京都在住。嫁と娘の3人家族で年間30泊ほどキャンプに行って飲んだくれている。

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