OLFA WORKS(オルファワークス)3本のナイフを試す【替刃式ブッシュクラフトナイフ・替刃式フィールドナイフ・替刃式フィールドノコギリ】

2020年3月4日

topics ナイフ沼

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以前から注目していた、OLFA WORKSの3本のナイフが発売されたので、早速入手しました。発売元はカッターナイフのOLFAですから、ホームセンターでも売ってるだろうと思い、近所の島忠に行きましたが売っていませんでした。Amazonでも取り扱っておらず、結局ナチュラムで購入。後で調べて分かったのですが、OLFA WORKSはアウトドアショップに流通を限定しているようで、現在は、下記の店舗での取り扱いとなっていました。

https://www.olfa.co.jp/user/media/olfaworks/shoplist.pdf

では、早速OLFA WORKSのナイフについて、レビューしていきたいと思います。


カッターナイフメーカーであるOLFAが、新たに発売したナイフは以下の3本です。


替刃式ブッシュクラフトナイフ BK1
替刃式フィールドナイフ FK1
替刃式フィールドノコギリ SK1

色は、オリーブドラブとサンドベージュの2色。私は、森の緑のイメージに近いオリーブドラブを選択しました。


3本とも、かなり豪華なケースに入っています。刃を出した状態でパッケージングされているので、カッターナイフなのにすごくかさばっています(笑)。


ケース裏面には、ナイフのイラストと、解説文が載っています。


ケースには、ナイフ本体以外に、ストラップ紐とOLFA WORKSのステッカーが入っています。ストラップ紐は、伸縮性のあるゴム紐でした。耐久性の面ではパラコードの方が良かったのですが・・・。
3本並べると、BK1が一番小さく、SK1が一番大きいのが分かります。

替刃式ブッシュクラフトナイフ BK1


元々、切り出しタイプのナイフとして販売されていたリミテッドCKをベースに、セレーションなどを追加したナイフです。

表面

裏面

ブレードは、直刀部分が40mm、セレーションが15mmの半片刃で、根元にはフックのような加工が施されています。

ブレードにはMade In Japanの刻印。

この形状が、缶切りに似ていたので使えるか試しましたが、ブレードが缶詰のふちに当たってしまうので、缶切りとしては使えませんでした。OLFA WORKSのWEBサイトでは、ケトルのハンドルに引っ掛けて持ち上げる使い方が紹介されています。

ステンレス鋼材は、ベースとなったクラフトナイフL型替刃が420J2なので、同じだと思います。420J2は比較的安価なナイフに使われている鋼材ですが、切れ味は、BUCKの420ステンレスのナイフと比べても、少し劣ります。ただ、大きめのセカンダリーエッジが施されており、裏側も僅かなマイクロエッジが確認できるので、研げばそれなりの切れ味になりそうです。

ブレード裏面側。僅かな角度で刃付けされており、写真では分からないが僅かなマイクロエッジがある。

特に、セレーション部分は、特別な研磨加工がされていて、直刀部分よりよく切れるので、ポテンシャルはありそうです。


ブッシュクラフトナイフということで、フェザースティックを作ってみると、結構使いやすかったです。切れ味のわりに削りやすいというのは、ブレードが木を削るのに向いている切り出しと同じ形状だからと言えます。フィールドナイフ FK1と比べても、きれいにカールしたフェザーが作れているのが分かります。FK1は、やはりカッターナイフベースのため、薄くは削げますが、刃が止まらずにフェザーを切り落としてしまうので、きれいなフェザースティックは、やや作りにくいです。


刃厚1.2mmですから、バトニングは無理がありますし、個人的にはフックもどうせならセレーションにする方が良いと思いますが、面白いナイフに仕上がっていると思います。

替刃式フィールドナイフ FK1


ぶっちゃけ、これは折り目のないカッターナイフです。刃長85mm、刃厚0.5mmの1枚板になったカッターのエッジには、波型形状の研磨処理がなされています。裏側は加工されていないので、片刃だけセレーション風になったナイフです。

表面

裏面

OLFA WORKSのWEBサイトでは、「滑りやすい素材(ロープやペットボトルなど)でもしっかり引っかかりスムーズなカットが可能」とされています。

さて、これで色々切ってみましたが、正直OLFAのカッターナイフと切れ味はほとんど変わりません。コピー用紙や厚紙では、どちらも変わらずよく切れます。ただ、段ボールになると、波刃形状に引っかかりを感じ、むしろノーマルのカッターナイフの方が良く切れるように感じました。


ロープやペットボトルでも、差はほとんど感じられず、フランスパンを切っても、切り口の形状も含めて差がありませんでした。結果的には、波刃形状のメリットをイマイチ感じられませんでしたが、折り目のない一枚板ということで、折れにくいカッターナイフということにしておきましょう(笑)。


尚、フェザースティック作りについては、BK1のところでも書いた通り、良くも悪くもカッターナイフです。切れ味は良いですが、刃が薄くて曲がりやすいので、食い込みが悪く、きれいにカールしたフェザーは作りにくいです。ただ、薄く削るのは得意ですから、焚き付けを大量に作るのには向いています。


ちなみに、本体後部にあるツメは、ベースモデルのスピードハイパーL型にもある、ペンキ缶などの蓋を開けるのに使う物ですが、アウトドアでは木の皮を剥ぐのに使えそうです。

替刃式フィールドノコギリ SK1


このナイフというかノコギリは、刃の縦幅が25mmとOLFAのカッターナイフラインアップ上で最大の大きさを誇ります。衝撃焼入により耐久性と靭性を兼備え、『上目』を施した本格目立てで、スムーズな切れ味が特長とのことです。


刃長も106mmと、ポケットソー並みの長さがあります。
そこで、高儀のシャークソー替刃式コンパクト折込鋸(125mm)と比較してみます。


用意したのは、杉の中割薪。


切れ味は、シャークソーと遜色なく、気持ちよく切ることができました。ただ、値段は、シャークソーが実売1,600円前後、SK1が2,200円(いずれも税込)と、SK1が少し高いです。


まあ、値段を言い出すと、SK1のベースになった、オルファ(OLFA) ハイパーH型ネジロック(790円)+H型鋸替刃(714円)であれば、合計1,504円で買えてしまえる訳で、そこは、専用カラーということで目をつぶりましょう(笑)。
※値段は2020/3/4現在のAmazonでの販売価格


いずれにせよ、非常にコンパクトなノコギリとして十分な性能を持っているといえます。

総評

OLFA WORKSは、元となったOLFAの製品とどれだけ差別化ができているかが、大きなポイントになるわけですが、ボディは特別色、ブレードについてはブッシュクラフトナイフ BK1とフィールドナイフ FK1(FK1のブレードはウェービーブレード大として既存のOLFAのラインアップに有るためOLFA WORKSオリジナルでは無い)についてはオリジナル要素の高い加工が施されており、一定の評価はできます。
特にBK1は、切れ味の良いセレーションが印象に残りましたので、後日直刀部分も研ぎあげて再評価してみたいです。
FK1については、波刃加工が思ったほどではありませんでしたが、折り目のないカッターはある意味新鮮でしたし、SK1もノコギリとして十分使えたので、アウトドアで使い込めば更なる発見がありそうです。

さて、こうなると気になるのが今後の展開で、やっぱり替刃式を謳うからには、替刃のラインアップを充実させてほしい所です。


ブッシュクラフトナイフ BK1は、ボディ側のクリアランスが2mmちょっとしかないので限界はありますが、刃厚1.8mm程度の厚手のブレードなどが出てくると、かなり面白いと思います。それに、NTカッターには、炭素鋼や両刃のブレードがあるので、そういったバリエーションも欲しいです。
ブレード形状も、切り出しタイプだけでなく、ドロップポイントなどもあると、用途に合わせて使い分けできて楽しめます。
また、縦幅がシリーズ最大の25mmと大きいSK1の方こそ、FK1のような折り目のない直刀替刃が欲しいですし、グラインドも本格的なセレーションが入ったものであれば、パン切りナイフとして重宝するはずです。特に、アウトドア向けのパン切りナイフは少なく、フォールディングナイフでは、オピネルNo.12にパン切り用の波刃が施されたモデルがある程度なので、SK1の替刃として商品化されれば、大ヒットすると思うのですが・・・。
いかがですか?OLFAさん!!

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