実験に使うのは、オガライト。薪と違って、1本ごとの重量や密度の差がほとんど無いので、こういった実験に向いています。
実験の方法としては、熾火が十分にある状態で、薪ストーブが300度の状態でオガライト2本を入れてから、燃え尽きるまでの時間を測ります。
計測の前に、先ずはダンパーによる燃え方を見てみます。
ダンパー開・吸気口開 |
ダンパー開・吸気口閉 |
見た目あまり変わりません。長時間閉めていると、多少温度は下がりますが、体感的にはあまり変わらない気がします。
ダンパー閉・吸気口開 |
ダンパー閉・吸気口閉 |
やはりダンパーを閉じると、かなり火の勢いが抑えられます。吸気口の開閉はダンパー開の時と同様、あまり大きく影響しないようです。
ちなみに、家庭用薪ストーブであれば、ダンパーを閉じて吸気口を開けることで、可燃性ガスの2次燃焼を促進し、効率よく運転することが可能です。キャンプ用薪ストーブは、家庭用ほど密閉性が高くないので、吸気口の開閉の影響はあまり無いようです。
さて、実験開始です。
先ずは、ダンパー開の状態を実験。
先に入れた薪が十分に熾状態になっているのを確認し、オガライト2本を入れます。
扉を閉めたら、じきに炎を上げて燃え出します。
およそ50経った状態。全体が熾になっており、炎は見られません。
だいたい、1時間10分ぐらいで熾火がかなり崩れた状態になりました。写真に写っている左の黒いオガライトは、奥にあったものを引き出したもので、これがまだ燃え残っていました。
ほぼ燃え尽きるまでは、1時間半ぐらいでしょうか。
次は、ダンパー閉の状態を実験。
ダンパー開の時と同じように、熾の状態を確認してから、オガライト2本を追加。
いきなりダンパー閉にすると、オガライトに火が付くまで時間がかかってしまうので、炎が上がるまではダンパー・吸気口両方を全開状態に。
オガライトから炎が上がった時点で、ダンパー・吸気口とも全閉に。
およそ50経った状態。扉を開けると空気が入って炎を上げて燃え出します。ダンパー開の時に比べ、まだまだ燃え残っている状態です。
1時間半ぐらいたってもしっかりとした熾火が残っていましたので、最大2時間近く燃えている計算になります。
以上、実験の結果、ダンパーの効果により、約30%ほど火持ちが良くなっていることが分かりました。もちろん燃焼温度は、全開で300~350度ぐらい、全閉で250度前後と、最大100度ぐらい違うので、幕内温度も下がりますが、薪ストーブは十分に高出力なので、全閉でも十分な幕内温度になります。むしろ、薪ストーブが400度近くになると、ストーブ周辺の気温は30度近くになるので、暑くて汗だくになってしまいます(苦笑)。ですので、テントの出入りが激しいときはダンパーを全開に、幕内で食事をするときなどはダンパーを全閉にするなど、場面に合わせて使い分けするのが良さそうです。
ちなみに、大型の広葉樹の薪を大量にくべて、燃え出したところでダンパーと吸気口を全閉にしておいたのですが、2時間半は持ったので、キャンプ用薪ストーブとしてはかなり火持ちは良くなったと思います。それでも朝までは持ちませんが(笑)。