ブッシュクラフトから見えてきた問題について考える

2019年9月26日

キャンプtips コラム

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キャンプに慣れてくると、ブッシュクラフトという言葉を耳に(目に)することがあると思います。ブッシュクラフトとは、簡単に言ってしまうと「森や山の中で必要最低限の道具で生活すること」です。私がブッシュクラフトと言われて、初めに思い出したのがこれです。



正直、最初は「何で今さら冒険図鑑と同じような内容が横文字になって流行ってるんや?」と思ったのですが、何冊か読み進めるうちに、これはこれで中々楽しめました。かまどやシェルターの作り方については、基本的には変わりありませんので、改めてアウトドアやサバイバルなどのテクニックの普遍性を感じました。一方で、最近のブッシュクラフト本では、火熾しや木工についてかなり詳しく書いてあり改めて勉強になった点も多かったです。
そんな中で、特に気になったのがナイフや斧などの刃物の扱い方についての解説です。実は冒険図鑑では、ナイフの持ち方や注意事項などの基本的なことを書いているだけで、チョッピングやバトニングなどの具体的なテクニックについては書いていません。これはおそらく、発行当時の1985年は、アウトドアナイフといっても、ビクトリノックスやウェンガーなどのマルチツールか、BUCKのフォールディングハンター110、あとは映画ランボーで有名になったサバイバルナイフぐらいしか販売されておらず、本格的なブッシュクラフトに向くナイフが手に入りにくかったことが影響していると思います。

さて、ブッシュクラフトは、森の中で数日~数カ月生活することを目指しているため、わな猟や動物の解体方法などにも触れられている本もありますが、日本では制限されているので実践できません。また、それ以外についても、実際にやろうとするとできないことが多いことに気が付きます。日本は70%が山ですので、一見ブッシュクラフトできそうですが、基本的に山は私有地か国有林・国定公園となっているため、そもそも勝手に山に入って生活することができません。山岳地帯などの国定公園では、登山目的で野営することは法律上問題ありませんが、周辺の木を切ってシェルターを作ったりしたら、器物損壊罪になりますのでやっぱりブッシュクラフトはできません。唯一、川は河川法で誰でも利用して良いことになっているので、河川敷などでブッシュクラフトっぽいことは可能ですが、私はこれには反対です。川は急な天候の変化や上流の状況によって、急激に増水する危険があるからです。毎年のように、河原や中州でBBQをしていて、急な増水で取り残されて救助されていますので、ブッシュクラフトには不向きです。

最近、芸能人が森の奥(に見えるキャンプ場)でソロキャンしている動画が人気ですが、これをマネして私有林などで野営している人たちがいるようですが、これは絶対にやめてもらいたいです。自分一人ぐらい良いだろうと軽い気持ちでやっても、今の世の中SNSで一気に拡散されてしまうので、そんな人がいっぱい増えて自然破壊活動につながることになりかねません。自己責任などという言葉がネット上で飛び交っていますが、私に言わせればそれは自己責任ではなく自分勝手というものです。
もう一つ、私が気に留めている事があります。2015年に西伊豆で起こった電気柵の事故で2人が死亡した事件です。この事件は、住民の方が獣害から自宅の花壇を守るために電気柵を設けたのですが、それに誤って子供が触れてしまい感電し、さらに柵が切れて川に浸かったために、川に入った人も次々と感電、結果大人2人が死亡しました。この事件では、特に電気柵に保安装置が付いていなかったこと、家庭用電源を直結していたことが取りざたされていましたが、それは2人が死亡する結果にはなりましたが、原因では無いと私は考えています。真の原因は、そもそも「ひっそりとした里山の誰も普段遊ばないような川でどんな危険があるかも確認せず勝手に遊んで勝手に私有地に入って感電した」ことにあると思います。もちろん、保安装置の設置を怠ったなどの、施主の責任もあるでしょうが、そもそも「誰も来ない村」で「住民はみんな電気柵を張っていることを知っていて」、本来なら事故の発生確率がほぼゼロの条件だったわけです。そんな所に、勝手に入って事故を起こした訳ですから、施主の方がむしろ被害者と言えます。事件当時は、ネット上で施主のことを殺人者と言う心無い人がいましたが、施主は2人の方が無くなったことを悔やみ自ら命を絶つという最悪の結果となりました。
アメリカでは、自宅敷地内に勝手に入れば、射殺されても文句は言えません。施主は害獣から花壇を守るために電気柵を設けたにすぎず、そこに住民以外の他人が勝手に入ってっ来ることは想定外だったはずです。確かに感電死された方は被害者ですが、施主にとっては加害者と言えます。川でも海でも山でも、自然の中で遊ぶことは楽しいですが、行き過ぎた行為が他人に迷惑をかけ、大きな被害を及ぼしてしまうことに思い及んでほしいと思います。

さて、色々書きましたが、日本は北欧や北米のように広いわけではなく、手つかずの自然など望むべくも無いので、本格的なブッシュクラフトをやりたくてもやれないわけですが、節度さえ守ればキャンプ場でもそれなりに体験できるので、工夫して楽しんでください。

キャンプ場選びのポイントは、下記の通りです。

  • 林間キャンプ場である
  • 焚火を直火できる
  • 場内に利用していい伐採木などがある
  • 釣りができる

ブッシュクラフトは森の中で生活することを目指しているので、やっぱり林間キャンプ場が良いです。焚火が直火できれば、かまどを作ったりしてより雰囲気を楽しむことができるのでベターです。キャンプ場によっては、間伐材などの伐採木が積んであったり、場内に落ちている木々を自由に使って良い場合があります。薪ひろいが出来れば、薪割やフェザースティック作りなどのブッシュクラフトのテクニックが駆使できるので、色々と楽しめます。釣りは、必ずしも必要ありませんが、自分で食糧を調達して調理するという森の中での生活感を体感できるのでおすすめです。本格的な渓流釣りができる川があればベターですが、釣りが趣味で無い方でも、釣り堀のあるキャンプ場でマスやヤマメを釣って食べるだけでも大変楽しめるので挑戦してみてください。

最期に、お願いがあります。
最近、直火OKで有名だったキャンプラビットが遂に直火禁止になってしまいました。
http://www.camp-rabbit.com/sub/op.html

私の知っているキャンプ場を紹介しようと思って調べたら、このページに当たってしまいました。管理人さんは、とても自然を愛し、キャンプが大好きな方ですが、そんな方が直火禁止にせざるを得ない状況が残念でなりません。万が一、私のブログで紹介したキャンプ場でこのような被害が出ると多くの方に迷惑がかかるので、あえてキャンプ場を紹介することは控えさせていただきます。

くれぐれも、モラルを守って楽しんでください。








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