テントより重要なペグ~スノーピーク|ソリッドステーク

2019年4月19日

キャンプ沼

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私がキャンプ沼に沈んでいく原因となった数多くのギア。
私がいかにして沈んでいったのかも含めてご紹介していきたいと思います。
第1回目は、snow peak Solid Stake(スノーピーク ソリッドステーク)です。

スノーピーク ソリッドステーク

私は子供の頃、親父によく登山に連れて行ってもらいました。親父は車が運転できなかったので、登山はいつも電車とバスで麓まで行って上るスタイルでした。当然、登山で必要となる食糧、バーナー、コッヘル、水など、全てを親子2人で担いでいくため、装備は極力軽くする必要がありました。登山用のドームテントを担いで上ったこともあるので、装備の軽さの重要性は、その時身に染みて分かりました。
やがて、中学・高校と進学するにしたがって親子での登山はやらなくなり、私もアウトドアから離れることになったわけですが、私がオートキャンプでアウトドアに復帰した時に一番違和感を覚えたのは、装備重量の重さです。私が登山をしていた80年代でも、既にオートキャンプはありましたが、今ほど確立したスタイルはありませんでした。テントも基本的に山岳用がメインで、スノーピークもまだ無い時代でしたので、質実剛健で軽量な物が多かったように思います。そんな私にとって、スノーピークのソリッドステークは、とても重いペグで、何でこんなペグが売れるのか分からないという感覚でした。登山はとにかく軽くするため、ペグもアルミやジュラルミンで作られており、ましてやペグハンマーなどもありませんでしたので、鍛造で重いペグを、これまた重いペグハンマーで打ち込むというのは当時の自分の考え方になかったものでした。むしろ、ペグが打てない時は木や岩に固定するなど工夫するか、そもそも場所を変えるということを考えたものです。

そんな考え方が変わったのが、テンマクデザイン(tent-Mark DESIGNS)の焚き火タープコットンヘキサ(Takibi-Tarp Cotton Hexa)を購入した時のことです。当時、まだキャンプギアにそれほど詳しくなかった私が、WILD-1で焚火タープの購入を考えていた時、店員さんに勧められたのが、スノーピークのウィングポールとソリッドステークでした。焚火タープはコットン製で大きくて重いので、その重量を支えるにはウィングポールとソリッドステークの組み合わせが一番良いというように教わり、言われるままに280cmのウィングポールと30cmのソリッドステークを購入しました。これが、私の考えを大きく変えた瞬間だったのです。どんな地面でも強力に食い込んでいき、鉄製のペグハンマーで打ち込んでもビクともしないこのペグは、頼もしく、安心して使うことができました。
ペグは、ある意味テントよりも重要なアイテムです。特にオートキャンプでは、テントやタープは大型のものを使うことが多く、しっかり固定しないと風で飛ばされてしまうので、ペグダウンが重要になります。
固い地面だと、ジュラルミン製のペグなどでは曲がってしまって上手く打ち込めないことがあります。また、プラペグなどは、無理やり打ち込むと折れたりします。そんな場面でも、ソリッドステークであれば力任せに打ち込んで行けるので、頼もしい限りです。

テンマクデザイン ペグロールケース
ペグケースはテンマクデザインのペグロールケース

それ以来、ソリッドステークを使い続けた結果、今では30cmが21本、40cmが8本、私のペグケースに常備されることになります。ちなみにハンマーも含めると重量は約7.2Kgにもなります!

鍛造によって1本の鉄の棒からペグに仕上げられていく。
(スノーピーク ヘッドクォーターズ ミュージアムにて筆者撮影)

ソリッドステーク(略してソリステ)は、熱した鉄をハンマーで叩いて作る鍛造という工法で作られています。鍛造は、金属を叩くことで内部の隙間を潰して密度を上げ、衝撃によって金属結晶の方向を均一に整えることができるので、金属の強度と粘りを出すことができます。金属加工には鋳造という工法もありますが、これは、型に溶けた金属を流し込んで作る工法で、スキレットやダッチオーブンがこの方法で作られています。鋳造は、中空などの複雑な形状の物でも簡単に作ることができますが、鍛造のように叩かれて鍛えられていないため強度や粘りが低く、衝撃に弱いという欠点があります。そのため、鋳鉄製の重いダッチオーブンなどは、コンクリートの上などに落とすと割れることがあり、ペグのようにハンマーでハードに叩かれるものには向かない工法と言えます。
ただ、鍛造は、型に流し込んで作成できる鋳造より工程が多いため、コストがかかります。ソリステは、そのような手間暇をかけているので、普通のペグより高価になるのは当然ですが、そのコストに見合った強力なペグに仕上がっていると言えます。
鍛造されたソリステは、強度が高いため固い地面に鉄製のハンマーで打ち込んでも、ペグ頭がつぶれることもなく、粘りも強いので普通の使い方をしている限り曲がることもありません。アルミやジュラルミン製のペグは、力任せに打ち込むと簡単に曲がりますし、プラ製のペグであれば、頭が衝撃で折れたりします。ソリステはむしろ、ペグが強靭なために、テントやタープに付属しているようなヤワなペグハンマーでは、一発でハンマーが曲がってしまうほどで、その結果ペグハンマーも強力な物が求められることになり、私もスノーピークのペグハンマーを購入することになってしまいました。

左から50cm、40cm、30cn、ペグハンマー PRO.S
左から50cm、40cm、30cn、ペグハンマー PRO.S

ソリステは、20cm、30cm、40cm、50cmの4種類がりますが、30cmであれば大抵のキャンプ場で使えるので、ほぼこの長さでいけます。オープンタープは風を受けるので、テントより強力に留める必要がありますが、これも30cmでほぼ事足ります。
地表が腐葉土のようなフカフカの枯れ葉で覆われているキャンプ場で、30cmでは長さが足りず、40cmでないと抜けてしまうことがありましたので、地面がユルイ場合のために40cmを4~8本持っていると安心ですが、ペグの打ち込み方でも対応可能です(詳細はテントの設営にあたっての注意点を参照)。
50cmは、もはやペグと言うよりは杭なので、別の使い方になると思います。



ソリステの同等品には、村の鍛冶屋のエリッゼステーク(略してエリステ)という製品もあります。長さがソリステより各2cm短く、カラーバリエーションも豊富にあるのですが、現在、不正競争防止法違反の疑いでスノーピークから訴訟されています。
まあ、同じ鍛造ペクであり、デザインも似ていると言えば似ていますから、無理もないのですが、どうなるのか気になる所ではあります。
キャンプ場について、ペグ袋を取り出して開けた時、私はいつも「待たせたな!」と心の中でつぶやいています。


あまりに強力すぎるソリッドステークでの失敗談もご笑覧ください!!


※メタルギア・ソリッドというゲームの主人公。続編の発売が度々遅れたため、スネークがゲームの冒頭で「待たせたな!」とつぶやくのがネタになっている。


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