シュラフ(寝袋)|キャンプに必要な物の選び方(初心者向け)その5

2019年3月18日

キャンプ入門

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キャンプに必要な物を、初心者の方にも分かりやすくまとめて紹介!!
第5回目は、意外と無駄な出費になりやすいシュラフについて考えてみます。


キャンプ初心者の方が、一番迷うのはシュラフだと思います。web上では、寒くて眠れなかったとか、体に合わなかったなど、シュラフのトラブルが結構多く挙げられています。実は、これらの殆どがキャンプスタイルをちゃんとイメージ出来ていないことに起因します。今回は、初心者向けということで、3シーズン利用に限定して解説します。

シュラフの対応温度について

先ず、春から秋にかけての3シーズンの気温に着目してみましょう。首都圏からも近く、多くのキャンプ場のある、河口湖近辺の年間平均気温を下記に示します。

河口湖 平年値(気象庁HPより値を抜粋)

平均最高最低
1月-0.65.3-6.2
2月0.26.1-5.2
3月3.69.7-1.7
4月9.315.93.3
5月13.919.98.5
6月17.422.613.2
7月21.326.517.5
8月22.127.618
9月18.423.314.6
10月12.417.87.9
11月7.113.31.7
12月28.4-3.4

注目するのは、最低気温です。当然ですが、最低気温になるのは夜中から明け方となり、シュラフを使っている時間と重なります。
キャンプシーズンの4月から11月の間で、最低気温が15度を下回るのは、4〜6月と9〜11月となります。7〜8月は最低気温が15度を上回っているため、シュラフは不要で、自宅で使っているタオルケット等で十分です。では、最低気温が15度を下回る月を見ると、4月と11月は、5度以下とかなりの寒さで、実質的には冬です。5月と10月はそれぞれ最低気温が、8.5度と7.9度で5度以上となります。何故私がこんな細かいことを説明しているかというと、シュラフには対応温度というものがあり、その温度までは問題なく利用できますという目安としてメーカーが公表している温度となります。シュラフの対応温度は、15度、10度、5度、0度、氷点下・・・とラインナップされているのが多いので、どの温度を購入するかが、大きなポイントとなります。
ちなみに、対応温度近辺での使用は、下着・シャツ・厚手のフリースなどの重ね着が必要とお考え下さい。対応温度は、シュラフから出ても寒さで凍えない程度には服を着ていることを前提としていますので、薄手のパジャマ1枚では無理があります。
これを踏まえると、河口湖は、4月と11月を除けば5度以上なので、5度対応の製品を購入しておけば殆ど対応可能となります。
尚、最低気温が5度近辺になる場合は、実質冬キャンプとなるので、ストーブなどの別装備が必要になりますのでご注意ください(中級者以上向け)。

以上のことから今回は、5度対応のシュラフを検討します。ちなみに、15度対応の夏用シュラフは全く必要ないです。私もキャンプを始めた頃に購入しましたが、結局全然使ってないです。夏は、タオルケット(若しくは無し)、少し涼しくなったら薄手のブランケットと、普段自宅で使用しているもので十分代用できてしまうからです。

シュラフの素材について

次に、素材について説明します。シュラフの中綿は化学繊維とダウン(羽毛)の2種類に大別できます。2つの素材の違いを表にしてみると、以下の通りとなります。

化学繊維ダウン
重量重い軽い
収納性大きい小さい
保温性低い高い
水分強い弱い
メンテ丸洗い可能専門サービスが必要
コスト安い高い

一番の違いはやはり、収納性とコストです。ダウンは、軽く畳むと小さくなるので、収納性が良いです。
逆に、コストは、ダウンが化繊の2~3倍と高いです。
また、ダウンは水に非常に弱く、濡れるとダウン同士がくっついてしまって保温性が失われてしまうため、特に冬季は結露した水で濡れないようにシュラフカバーが必要となります。
メンテナンス面でも、化繊の方が有利で、最近の製品は洗濯機で丸洗いできる物が多いです。

シュラフの形状について

シュラフは、封筒型とマミー型の2種類があります。封筒型は上がオープンで、サイズも足先まで一定のため、寝苦しさを感じずゆったり寝ることができます。
マミー型は、顔以外をすっぽり覆えるので、保温性に優れ、特に冬場に威力を発揮します。

以上を踏まえて、私のおすすめは以下の通りです。

コールマン ファミリー2in1 C5

コールマン ファミリー2in1 C5

対応温度は5度、化繊で洗濯機丸洗いOK、封筒型でサイズも大きめのためゆったり寝られ、お財布にも優しいと言うことなし!
この製品の特長は、ジッパーで2枚合わせて大きな封筒型1枚として使える点で、サイズは、合体した場合は約168×190cmと、子供が小さければ家族3人で一緒に寝ることも可能です。分離して使うと、84×190cmになるのですが、大きさに余裕があるため、ゆったり寝られるだけでなく、寒い場合はシュラフの中にブランケットを入れて寒さ対策が可能です。同じ5度対応のコールマンの製品でアドベンチャースリーピングバッグというのがあるのですが、1枚で使うと75×190cmと幅が10cmほど小さいため窮屈です(私は身長160cmですが、肩幅がある方なのでジッパーを全閉するときつきつで寝れないです)。
単体での使用についても、ジッパーをフルオープンにすれば布団としても使えるため、温かくなってきた季節でも活用できます。
以上のことから、大人2人分としても、ファミリー2in1をおすすめします。

尚、1個でいいとか、もう一つ欲しいという場合は、1枚あたりが割高になりますが、同等モデルのコージーIIがあります。

【お子様向け】

コールマン キッズマミーアジャスタブル/C4

コールマン キッズマミーアジャスタブル/C4

お子様向けには、これがベストです。お子様向けとは言え、最大長170cmあるので、身長155cmぐらいまでは対応可能です(うちの嫁が身長150cmですが入ってもまだ余裕があります)。対応温度4度で、化繊で洗濯機丸洗いOK、マミー型ですが横幅も足元まで余裕があり使い勝手が良いです。また、センターファスナー以外に足元にもファスナーがあるため、暑さ調整も可能と機能的にも充実しています。
我が家でも、子供が気に入って使っており、氷点下のキャンプ場でも、電気毛布を中に入れて使えば、ぐっすり朝まで眠ることができました。

今回は、おすすめする製品が少なかったですが、私も色々買ってみて、結局ここに落ち着いたという経緯があります。もちろん、ダウンの方がコンパクトでフカフカで良いのですが、組み合わせや色々な使い方の利便性まで考慮すると、今回取り上げたコールマン1択になります。

キャンプ場の最低気温に注意しよう

C5の製品で寒かったというコメントをたまにネット上で見ますが、対応温度5度のシュラフで寒いということは、そもそも季節的には冬だということです。普通の生活でも、外気温が10度切ってくれば、コートを着たりマフラーをまいたりすると思います。そういう気温の所でキャンプをするには、それなりの準備と覚悟が必要となります。私が対応温度5度の製品をおすすめするのは、3シーズンの外気温としては最低気温10度前後を想定しており、これで寒くない程度のキャンプが快適な気温だからです。無理して0度対応の製品を買っても、それに対応する気温のキャンプ場は冬ですので、日中でも10度前後で寒く、そもそもテントやタープも含めた全体の装備を考え直す必要が出てきます。ですので、キャンプ場の最低気温を事前にネットで確認しておき、もしも10度を下回る場合はキャンプ場を変えるなどの工夫をしてみてください。
標高が1000m上がれば、気温は6.5度下がりますし、標高が低くても山林や川の近くは市街地に比べて気温が低いです。また、野原などあまりさえぎるものが無い場所は、夜は放射冷却で急激に寒くなったりするため、ご注意ください。

以上、キャンプに必要なもの(初心者向け)その5 シュラフ(寝袋)編でした。









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