テントの設営場所を考える|キャンプに挑戦! その1

2019年3月27日

キャンプ入門

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こちらでは、キャンプに挑戦と題して、少しでも快適に楽しくキャンプができるような工夫について、お伝えできればと思います。今回は、キャンプ場についてまず行うこととして、テントの設営場所を考えてみましょう。


サイト選び~テントの設営場所~

キャンプ場について、一番最初に行うのがテントを建てることです。テントは、キャンプ中の自分の家ですから、どこに建てるかは慎重に選びましょう。特に、フリーサイトは自分で建てる場所を選べますので、下記の5つのポイントを押さえておくと、より快適にキャンプを過ごすことができます。区画サイトは、場所が決まってしまっているので選択の余地はありませんが、サイト内でもテントの建てる方向や位置決めにあたって、参考にしてもらえればと思います。

テントを建てる上で重要な5つのポイント

①ロケーション
②天候と風向き
③人通り
④水場・トイレとの距離
⑤夜のことを考えて

①ロケーション

まずは、テントを建てるロケーション(場所)についてです。キャンプサイトのロケーションは、広場、林間、湖畔、河畔、海岸の5つに分類できます。各ロケーションの長所・短所について、私の経験もふまえてまとめてみましたので参考にしてください。

【広場】
●長所
とても開放感がある。特に、牧場跡地に作られたキャンプ場は、ひたすら草原が続くので思わず走り出したくなる。
夜は星がキレイに見える。星を見ながらウィスキーを飲むと、気持ちよすぎてそのまま寝てしまう。
●短所
さえぎるものが無いので、快晴だと日光が直撃して暑い。
高原などでは、風が強い場合がある(テントが破壊される場合もある)。

【林間】
●長所
森の中で癒される。森林浴で健康になる。ハンモックを吊ると最高に幸せになれる。
多少の雨が降ってもOK。
カブトムシやクワガタムシを捕まえられる場合もある。
大きな木が多い森林だと、フィトンチット(木から出る殺菌作用のある物質)で蚊が少ない。
●短所
風通しが良くない場合がある。
良くも悪くも、直射日光があたらない。

【湖畔】
●長所
目の前が湖だと、開放感があって、とても気持ちがいい。カヌーやSUP(サップ)が楽しめる。
風が湖から吹いてくる場合が多いので、風通しが良い。
●短所
場所によっては、湖に向かって傾斜があるので、寝にくい。
たいてい、蚊が多い。
風通しが良すぎて、強風の場合がある(テントが破壊される場合もある)

【河(川)畔】
●長所
特に夏場は、涼しくて気持ちがいい。川遊びができる。
風が谷沿いに吹くため、風通しが良い。
場所によっては、釣りや魚のつかみ取りなどもできる。
●短所
大きな石がゴロゴロしているような場所だと、テントを建てるのも難しい(ペグが打てないなど)。
夜は、川の流れがうるさくて寝られない場合がある(音に神経質な方はご注意ください)。
たいてい、蚊が多い。
雨が降ると増水の危険があるので、雨の前後はキャンプを絶対にしてはいけない。
特に、大きな河ほど、上流で雨が降ると急激に水かさが増すので危険。毎年、河の中州
で取り残されて消防に救助されるキャンパーがいる。

【海岸】
●長所
海水浴が楽しめる。波の音を聴いているだけで癒される。
ビールを一番美味しく飲めるロケーションである。
●短所
松林の中でない限り、日光が直撃して暑い。朝6時には暑さで目が覚める。
地面が砂のため、ペグが効きづらい。テント設営にコツがいる。
テントの中も砂だらけになる。

以上が、各ロケーションの長所と短所ですが、全ロケーション共通のNGポイントがあります。それは、傾斜地です。傾斜ができるだけ無い場所を選びましょう。傾斜があると、テーブルの上の物が転がったり、寝てるときに、体が勝手に低い方に傾いてしまって寝にくいなどというトラブルが起こります。

②天候と風向き

まずは、天候についてご説明します。予め天気予報でキャンプ場の天気を確認しておくのが肝心ですが、晴れ・曇り・雨でそれぞれ対応が異なります。
晴れの場合は、直射日光対策を検討する必要があります。晴れの日は、夏でなくても日光があたると暑く、熱中症になる危険もあります。タープを張ることも重要ですが、できれば木陰などを利用して、直射日光が当たらないようにすべきです。特にテントは、日光が直撃すると中がとても暑くなりますので、できるだけ木陰を利用するか、風通しの良い場所を選びましょう。
曇りの場合は、直射日光をあまり考慮する必要がなくなるので、ロケーションなど他のポイントを優先することができます。
雨ですが、テントを建てる時は雨が降っていなくても、夜から朝にかけて降る場合なども考慮する必要があります。林間サイト(特に広葉樹林)は木の葉で覆われているため、多少雨が降っても濡れることが無くて安心です。私も雨の日に林間サイトでキャンプしたことがありますが、タープ無しでも木の下で濡れることなく快適に過ごせました。また、雨が降ると、テントのフライシートにあたって結構うるさいです。初めての方は、この雨の音で夜中に起きてしまうこともあると思います。ですので、テントを建てる時に降っていなくても、雨の予報が出ているときは、できる限り林間サイトを選ぶようにしましょう。
木陰が少ない、あるいは木陰が無いキャンプ場では、テントとタープをしっかり張って、雨対策を行う必要があります。その場合に、一番重要なのは、水はけです。地面は、芝生>砂利>砂>土の順で水はけの条件が悪くなります。
芝生は、もともと水はけの良い土壌でないと成長しないため、できるだけ芝生が密集していて状態が良い場所を選べば、水はけの心配がなくなります。また、雨で地面が濡れた場合、芝生であれば直接地面にテントが触れないので、泥だらけにならずに済みます。
砂利も水はけが良く、水たまりができることはありませんが、砂利が大きいと寝る時などにゴツゴツするので、注意が必要です。
砂は、そこそこ水はけがありますが、雨の量によっては地表を水が流れるようになるので、テントを建てる位置によっては、テントの下や周りを水が流れることがあります。前日から既に雨が降った場合などは、地面の状態を注意深く見ると、水が流れた後が残っていたりするので、そういった流れた場所を避けるようにしましょう。
土がむき出しの地面だと、水はけが悪いと水たまりができたり、泥だらけになったりするので、そういった場所はできるだけ避けた方が良いです。

次に、風向きにつてですが、2つの注意点があります。
1つ目は、テントの入口は風下にしてください。テントを開け放っていると、急な突風がテント内に入って飛ばされることがあります。メッシュで反対側から風が抜けていくような構造のテントであればある程度大丈夫ですが、砂埃やごみが吹き込んでくることもあるので注意が必要です。
2つ目は、焚火やBBQコンロの位置です。どちらも煙が出ますので、風上に設置すると、風で火の粉が飛ばされてテントやタープに穴が開いたり、テントの中が煙臭くなったりします。ですので、焚火やBBQコンロはテントの風下に設置するように意識しましょう。

③人通り

意外と重要なのが、人通りです。特に多くのキャンパーで賑わう7月後半から8月末は、どこのキャンプ場でもかなりの混雑となります。広場のようなサイトでも、混んでくると人通りが多くなることで自然に通路ができます。そんな通路際に自分のテントを建てると、人の目が気になりますし落ち着けません。
それほど広くないフリーサイトだと、端から埋まっていきますので、入口に近いエリアは人通りが激しくなります。どうしても通路際しか空いていない場合は、テントを建てる方向やタープの角度を調整するなどして、人目を避けられるような工夫が必要となります。
自然とできてしまう通路を避けるのは難しいですが、以下のことに気を付けていただければと思います。
まず、トイレ・水場への導線になりそうかどうかを考えてください。サイトが端から埋まっていった場合、みんなトイレ・水場へ向かって歩くことになりますので、なるだけ人通りが交差しそうな場所は避けてください。
林間サイトなどは、利用者がしょっちゅう通る所は踏み固められて道になっているので、分りやすいです。
キャンプ場の出入り口への道も同様です。入退場する車などが行き交う場所は避けたいです。

④水場・トイレとの距離

水場やトイレは、自分のサイトから近い方がもちろん便利ですが、近すぎると人通りが激しく、食器を洗ったり、水を汲んだりする音などもします。また、水場やトイレは24時間電灯が付いている場合も多く、星を眺めたりする上でも電灯が邪魔になったりします。
とはいえ、トイレまで歩いて5分とかかかると大変なので、歩いて1分程度の距離感がベストです。


⑤夜のことを考えて

昼間明るいうちは気が付きにくいのですが、キャンプでは夜寝る時のことも考える必要があります。テントの幕は特殊なテントを除いて、光をある程度通すので、電灯が近くにあると明るすぎで眠りにくいという場合があります。電灯の光量は、夜になってみないと分からないので判断が難しいですが、少なくとも直下は避けた方が無難です。一方、全く電灯が無いキャンプ場もありますが、その場合は、夜中にトイレ等に行くことを考えて、トイレまでの道のりが歩きやすいかどうかをチェックしておくと良いでしょう。特に林間サイトだと、懐中電灯を持っていても、木の根などにつまづきやすいですので、明るいうちに確認しておくと良いでしょう。


以上が、テントを建てる上で重要な5つのポイントとなります。
実際のキャンプ場では、全てのポイントをクリアするような理想的な場所は中々無いですが、キャンプ中の快適さが大きく変わってくるので、できるだけ各ポイントを踏まえた場所選びをしていただければと思います。

では、楽しいキャンプライフをお楽しみください!!


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