モンベル初の焚火台「フォールディング ファイヤーピット」が超優秀だった!

2021年11月25日

キャンプ沼 焚火

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焚火台。

以前は、スノーピーク、ユニフレーム、ロゴスあたりが定番でしたが、最近は、アウトドアブランドだけでなく、ガレージブランドからも様々な焚火台がリリースされており、百花繚乱の様相を呈しています。

機能についても、これまでは収納性や耐荷重が主な選定ポイントでしたが、着火性や燃焼効率、鑑賞性など、様々な機能が盛り込まれるようになりました。

 

特に注目を集めているのが、2次燃焼です。

 

2次燃焼とは、薪が燃えること(1次燃焼)で発生した煙に含まれる可燃性ガスに、高温の空気を送り込むことで、更に燃やすことです。

元々は、屋内用の薪ストーブで取り入れられた技術ですが、焚火台にも応用されるようになりました。最初に2次燃焼の機構を焚火台に取り入れたのは、おそらくSOLO STOVEだと思います。

出典:SOLO STOVE

SOLO STOVEのCAMP STOVEシリーズは、落ちている焚き木を集めて燃料にすることを目的として開発されており、燃えにくい枝でも最大限にエネルギーを取り出すことを重視した設計になっています。そこで取り入れられたのが、2次燃焼の機構です。


出典:SOLO STOVE

CAMP STOVEは、ストーブと名が付いているように、焚火の火力で調理するための道具ですから、厳密には焚火台とは言えませんが、この燃焼効率の良さが一部のキャンパーにウケたため、一時期品切れ状態にまでなりました。

これに目を付けたアウトドアメーカーは、こぞって2次燃焼機構を取り入れた焚火台を開発するようになり、遂には世界で初めて焚火台を発売したスノーピークからも、「フローガ」が発売されました。

1996年に発売された不朽の銘品、スノーピーク「焚火台」。
2021年には2次燃焼機構を追加するオプション品「フローガ」が発売された。


さて、そんな2次燃焼ブームの中で、フローガに遡ること1年前に登場したのが、モンベルの焚火台「フォールディング ファイヤーピット」です。

モンベルの焚火台「フォールディング ファイヤーピット」

モンベルは、スノーピークと並ぶ日本を代表するアウトドアブランドですが、性格は少し異なります。スノーピークがキャンプを主軸にしているのに対し、モンベルは登山に重点を置いています。そのため、ラグジュアリー志向のモンベルに対し、よりストイックな製品が多いのがモンベルの特徴です。
焚火台は、典型的なラグジュアリー志向の製品ですから、モンベルの思想とは相反する製品ですが、折からのキャンプブームの波に乗り遅れるわけにもいかず、遂に発売することになったのでしょう。


モンベルは、焚火台としては後発のメーカーとなる訳ですから、凡庸な製品では相手にされないのは必定でしょう。一方で、焚き火台は、既に多くのブランドから発売されていることもあり、形状や使い勝手など、かなりの部分で出尽くした感があることも事実です。
そんな、ある意味逆風ともいえる状態で、満を持して発売されたのが、この「フォールディング ファイヤーピット」です。

特徴は、以下の5点です
  • 組み立てが最速の部類に入る
  • 幅が長くて薪の容量が大きい
  • 剛性が高い
  • 燃焼効率が非常に良い
  • 2次燃焼機構が採用されている
では、詳細にレビューしていきます。

組み立てが超簡単で爆速

フォールディングファイヤーピットは、中央で折り畳むタイプですから、広げてロストルを設置するだけと、僅か数秒で設置できます。

モンベルの焚火台を折り畳んだ状態。写真左上は、別売のクッカースタンド。
折り畳んだ状態。写真左上は、別売のクッカースタンド。

この手のタイプは、UCOのフラットパックグリルなどがありますが、それらは逆三角形の形状ですから、箱型は珍しいです。
一般的に、箱型は組み立てに手間がかかったり、折り畳み機構が無く嵩張るなどの欠点がある物が多いのですが、モンベルはこの点を見事にクリアしています。

モンベルの焚火台「ファイヤーピット」の収納袋

サイズは高さ30×幅42×奥行き22cmと、比較的に大きな焚火台ですが、収納時の厚さは僅か5cmと非常にコンパクトなのが大きな特徴です。

薪の容量が大きい

形状は、箱型ですから、多くの薪を入れる事が可能で、火力面で大きなアドバンテージがあります。
また、幅が42cmあるので、市販の殆どの薪を切らずにそのまま入れることが可能です。

モンベルの焚火台「ファイヤーピット」の正面写真

この点は、箱型ではとても重要なポイントで、スノーピークの焚火台に代表されるような逆四角錐型であれば、対角線上に挿し込んだりすることができますが、長方形の箱型では限界があるため、薪の長さに対して十分な幅が確保されていることが使い勝手を大きく左右することになります。

剛性が高い

フォールディングファイヤーピットは、重量が4.1kgと焚火台の中では重い方ですが、その分剛性が高く、耐荷重は20kgもあります。

モンベルの焚火台「ファイヤーピット」の斜め横から見た写真

これは、箱型の折り畳み機構とも関係しています。フォールディングファイヤーピットは、ボディ中央で折り畳む機構を採用していますから、脚は折りたたまれることはありません。
一方、開いた時の形状は、脚が地面に対して垂直に立ち上がりますから、焚火台にかかる重量を垂直に支えることができます。
多くの焚火台では、折り畳み機構の都合上、脚が地面に対して垂直になる物が少なく、必然的に耐荷重が低くなります。それを補うためには、脚のフレームを太くしたり、本数を増やす必要が出てきますが、フォールディングファイヤーピットは4本の脚で重量を垂直に受けるため、物理的にも剛性が高い造りになっています。

ちなみに、スノーピークの焚火台Mは、重量3.5kgで耐荷重は明らかにされていませんが、10インチのダッチオーブンが使えるので、10kg~15kgといったところでしょうか。

モンベルの焚火台「ファイヤーピット」使用後のロストルの状態

フォールディングファイヤーピットは、オールステンレス製で、ボディ板の厚みは1mmです。スノーピークの焚火台の1.5mmには及びませんが、最も高熱に晒されるロストルは2mmありますから、耐久性の面でもかなりの高さを誇っています。

燃焼効率が良い

燃焼効率については、2次燃焼とも関係があるのですが、非常に効率よく燃えます。

焚火台の2次燃焼のイラスト

形状的には箱型の薪ストーブの天板が無いのと同じですから、薪の熱エネルギーが内部に溜まりやすく、非常に良く燃えます。
空気は、左右のスリットから取り入れられ、ロストルの穴から焚火台内へ導かれるので、殆ど扇ぐ必要もありません。

モンベルの焚火台「ファイヤーピット」の空気取り入れ口

ボディ前後の板は、2次燃焼の空気取り入れ機構のため2重になっており、これも焚火台内の熱効率を高めることに役立っています。

モンベルの焚火台「ファイヤーピット」に薪を入れて燃やしている写真

そのため、大量の薪を燃やした時の火力はかなりの物で、付属のステンレス網を使ってBBQなど、様々な料理に活用することができます。

また、燃焼効率が良いので、最後まで薪を燃やし切ることができ、後片付けも楽です。

モンベルの焚火台「ファイヤーピット」の使用後

焚火台の灰のアップ写真
熾火も綺麗に灰になっていることから、燃焼効率の高さが伺える。

2次燃焼機構について

モンベルの焚火台「ファイヤーピット」の2次燃焼の様子

この焚火台の最大のポイントは、何と言っても2次燃焼機構でしょう。
焚火台下のスリットから空気を取り込み、壁内で温められた空気が、上部の穴から焚火台内に吹き出す構造になっています。

2次燃焼の空気噴出孔

これによって更に燃焼効率を高め、可燃性ガスを燃やすことで、煙や匂いを減らすことにつながっています。
ただ、2次燃焼を起こすためには、焚火台全体がかなり高温になる必要があり、燃え始めなどの最も煙が出る時には2次燃焼が起こらないので、煙や匂いを減らすという点においては限定的です。
一応、2次燃焼は、調理などの面ではある程度効果的だとは思いますが、火力の面よりも鑑賞面の方が効果が大きいと言えます。2次燃焼の炎を見ていると、より炎が出るようにと薪の配置を工夫してしまいますので、焚火をいじくってずーっと遊んでいられます(笑)。

フォールディング ファイヤーピットの欠点

完全無欠の製品など、この世に存在しないように、フォールディングファイヤーピットにもいくつかの欠点があります。

意外と灰が落ちる

フォールディングファイヤーピットは、構造上どうしても、折り畳む部分から灰や熾火が落ちます。特に、脚の付近は熾火が落ちやすく、使う上ではスパッタシートなどの焚火用難燃シートが欠かせ選ません。

焚火台の下に熾火が落ちている様子

写真は、自宅の庭ですが、芝生の上であえて使ってみたら、四隅を中心に結構コゲました(苦笑)。

焚火台から落ちた熾火で芝生が焦げた様子

焦げた芝生のアップ写真

構造的には、ロストルによって2重底の様になっていますが、大量の薪を焚けば、ロストルの下にも熾火が落下するので、グランドの熱対策は必要になってきます。
特に、芝生は熱に弱いため、スパッタシートを敷いた程度では、焚火台からの輻射熱で枯れてしまう場合がありますから、ステンレストレーを敷くなど、十分な対策が必要となります。

ステンレス網が使い難い

モンベルの焚火台「ファイヤーピット」に付属のステンレス網を乗せた状態

標準で付属しているステンレス網ですが、完全に焚火台を覆ってしまうため、薪を追加するためには、一旦外す必要がありますが、これがかなりやり難いのです。
ステンレス網は、良くも悪くも焚火台にピッタリ合うように作られているため、使用中に火ばさみなどで外すのは至難の業で、一旦レザーマンなどのプライヤーを使ってもち上げ、その隙間から火ばさみを挿し込んで外すなど、かなり面倒な手順を踏まなければなりません。

オプションのクッカースタンドが微妙

オプション(別売品)のクッカースタンドを乗せた状態


オプションのクッカースタンドは、ダッチオーブンなどを使う場合には必須のアイテムとなります。ボディ上部に凹みが付けてあり、真ん中と左右の3か所に設置できるので、これがあれば、様々な焚火料理に対応可能となります。
ですが、スタンドの網目というかポールの数が少ないため、ケトルを真ん中に置くことができません。

クッカースタンドにケトルを乗せた状態

仕方が無いので、スタンドの端に置いているのですが、安定性が良くないので、安全上の問題があります。
せめて、間にもう1本ポールが入っていれば、安定して置くことができたのですが、なぜこんな形状にしたのか、モンベルの開発担当を問い質したい気持ちでいっぱいです(苦笑)。

焚火のバリエーションが少ない

これは、2次燃焼機構とトレードオフなのですが、形状が長方形の箱型のため、薪を横に入れるか、斜めに挿し込むぐらいしかできないため、焚火のバリエーションを楽しむことができません。

焚火台に薪をくべる様子

火力調整についても、薪の焚き方によって強弱をつけることができず、薪の量で調整する程度ですから、細かい調整ができません。

ただ、裏を返せば、簡単に高火力を維持することができるので、焚火料理については、焚火ハンガー等を使って火力を距離で調整するのには向いています。

モンベル「フォールディング ファイヤーピット」の熾火

また、大量の熾火を作ることで、熾火の量によって火力の強弱を作り出すことができるので、コンロとして使うことも可能です。

木炭を使ったBBQなどには向かない

この焚火台の最大の弱点は、2次燃焼機構を組み込むため、底が深くなっていることです。木炭を使う場合は、底が深いため炭火と網との距離が遠くなってしまい、効率が悪くなります。

モンベル「フォールディング ファイヤーピット」の熾火

スノーピークの焚火台などのような逆四角錐であれば、網などで簡単に底上げができますが、フォールディングファイヤーピットは箱型のため、底上げが困難です。


以上、モンベル初の焚火台「フォールディング ファイヤーピット」は、満を持して発売されただけあって、色々と考えて作られている優秀な焚火台と言えるでしょう。
箱型由来の高い燃焼効率に加え、2次燃焼で最大限の火力を得る焚火台でありながら、折り畳んでコンパクトに収納が可能と言うのは、今までにない焚火台に仕上がっています。
2次燃焼を広めたSOLO STOVEの最大の弱点が、嵩張るという点でしたから、それを克服したフォールディングファイヤーピットは、それだけでも充分な価値があります。

モンベル「フォールディング ファイヤーピット」の使用例

また、安定した火力が得られるという点では、焚火料理に向いています。クッカースタンドに若干の難はありますが、高い剛性によって、大型のダッチオーブンでも使いこなせるのは、とてもありがたい性能です。
それに、薪ストーブに似た形状なので、熱が全体にムラなく回るため、焼き芋も美味しく焼けます。

モンベル「フォールディング ファイヤーピット」で焼いた焼き芋


実は、我が家にフォールディングファイヤーピットが来てから半年以上、リビングの片隅でお菓子台として使われていました(笑)。

リビングの片隅で「お菓子台」として使われていた焚火台。

価格が18,590円と、焚火台としてはかなり高額なので使うのが勿体なかったというのもありますが、我が家には自作も含めて既に3台の焚火台があるというのも大きな理由でした(苦笑)。
そんなこともあって、焚火台としてのデビューが随分と遅れてしまいましたが、この高い燃焼効率は、他の焚火台には無い機能なので、やっぱり買って良かったな~と思っています(^ ^)


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沼にハマると抜け出せなくなる性格の40代おっさん。関西出身で現在は東京都在住。嫁と娘の3人家族で年間30泊ほどキャンプに行って飲んだくれている。

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