ごはんが簡単に炊けるアイデア商品「不思議なめし袋」

2020年10月6日

topics バーナー

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ユニフレームは、焚火台や焚火テーブルなど、定番となっているキャンプギアを多数リリースしていますが、一方で面白いアイデア商品も色々と出しています。今回ご紹介する商品は、アイデア商品の部類に入るアイテムです。



不思議なめし袋って何?


要するに、簡単にご飯が炊けちゃうという商品で、中には、ポリエステル製の不織布と竹串、厚紙の計量カップが入っています。



使い方は簡単、米を入れて鍋で煮るだけです。


この商品、お米を研がずに美味しく炊けるのが特徴。米を研ぐのは、コメの表面に残った糠(ぬか)を取るためですが、「不思議なめし袋」を使うと、沸騰した湯の中で米が擦れ合って糠が取れ、袋の外に排出されます。排出された糠は熱湯で膨張し、袋の中には戻らないため、米が美味しく炊けるというわけです。


不思議なめし袋の使い方

では、早速、使い方をご紹介しましょう。使い方の詳細は、パッケージ裏に書かれているので、その通りに作るだけです。



先ずは、計量カップで米の量を測ります。カップのラインまでで1/2合(茶碗一杯)、すりきり一杯で2/3合(どんぶり一杯)になります。これを、めし袋の中に入れます。米がこぼれやすいので、クッカーの上で作業することをお勧めします。


写真は、すりきり一杯入れたので2/3合。


袋の口を折り返し、竹串で閉じます。



袋には、竹串を通す穴が空いており、1/2合の場合は一番下の穴に一番上の穴を合わせて折り曲げます。3/2合の場合は、フラップ状になった袋の口を折り曲げれば、ちょうど下から2段目の穴に合うようにできています。



続いて、クッカーでお湯を沸かします。水の量は測る必要は無く、少し多めが良いでしょう。米を測って袋を閉じる作業をする前に、バーナーで沸かしておけば時短にもなります(^_^)


ユニフレームの山クッカー(大)を使っているが、丸型のソロクッカーでも、竹串を少し斜めにすれば入る。


沸騰したお湯の中に、袋を入れます。吹きこぼれるので蓋はせず、そのまま20分間沸騰させます。柔らかめに炊きたい場合ば、3~5分程度長めに煮ます。
お湯が減ってきたら、適宜足してOKです。


袋を入れた直後。

茹で始めから10分。大分膨らんできた。

茹で始めから20分。ほぼパンパンに膨らんでいる。


茹で上がったら、湯切りするか、袋を取り出して別の容器に移します。




蓋をして5~10分ほど蒸らします。


山クッカーに蓋をして、ユニフレームのバーナーシート大で包み、ゴムのベルクロテープで留めてある。
バーナーシートは、耐熱シートとして以外に、保温シートとしても使える。


袋から出して、出来上がり。



食べてみると、普通に炊くのに比べて、粘りが少なく、さらっとしています。そのため、少し水っぽく感じますが、味はまずまずの仕上がりです。



水っぽくと言っても、おかゆみたいな状態ではなく、ちゃんと粒が立っています。

好みにもよるでしょうが、普通にご飯で食べるよりは、カレーやハヤシに向いていると思います。



粘りは落ちるが、粒は立っているので食感は悪くない。


米を水に浸けたり、水の量を気にしたりせず、手軽に短時間でご飯が炊けるので、キャンプ場に到着して直ぐにご飯が食べたい時などには活躍しそうです。また、1人分だけ炊けるので、ソロキャンプなどにも良いでしょう。


「湯取り法」と「炊き干し法」

実は、この米を煮て炊く方法は、湯取り法と言われる炊き方で、東南アジアからインドにかけて用いられている調理法です。タイやインドでは、インディカ米という品種のイネを栽培していますが、インディカ米は、粘り気が少なく、品種によっては独特の匂いがあります。そのため、多量の湯で煮て、煮汁を捨ててしまう湯取り法は、インディカ米に適した炊き方なのです。

一方、ジャポニカ米に属する日本のコメは、弾力があり、粘り気が強いのが特徴です。このジャポニカ米の特徴を、最大限に活かすために考案されたのが、炊き干し法です。炊き干し法は、「煮る」と「蒸す」を組み合わせることで、ふっくらとして弾力のある美味しいごはんに炊き上げる日本独特の炊き方です。始めは米を煮ることで水分を浸透させ、湯量が減ることで蒸し状態へ移行、その過程で煮汁として出たアミロペクチン(粘り気の成分)を米粒に戻すことができるので、ごはんに粘りと弾力が出ます。その後の、蒸しの工程では、更に水分を浸透させつつ高温で米の芯まで柔らかくし、最後に余分な水分がなくなることで、べちゃっとせず、つやのあるごはんに仕上がります。

この炊き干し法は、ジャポニカ米のようにアミロペクチンの多い品種には向いていますが、アミロペクチンが少なくアミロースの多いインディカ米には、あまり向いていません。


アミロースとアミロペクチンの含有量によって炊き方が変わる

コメのでんぷん成分は、アミロースとアミロペクチンで構成されています。アミロースが多いと食感が固くなり、アミロペクチンが多いと粘りと弾力が出ます。また、アミロースは熱湯に溶け出しやすく、アミロペクチンは熱湯に溶け出しにくいという特徴があります。

インディカ米は、アミロースが多く、ジャポニカ米はアミロペクチンが多く含まれています。ですから、インディカ米は、アミロースを溶出させて捨ててしまうことで、米を柔らかくすることができる湯取り法が向いており、ジャポニカ米は、米粒内のアミロペクチン量を最大化できる炊き干し法が向いているのです。ジャポニカ米に含まれる少量のアミロースは、歯ごたえにつながるため、インディカ米のように捨ててしまう必要がないことも利点です。

コメの調理法が、国によって異なるのは、国や文化が違うだけでなく、コメの性質に合わせて理にかなった方法へと進化してきた証でもあります。


「不思議なめし袋」は湯取り法

さて、長々とコメの炊き方について書いてしまいましたが、「不思議なめし袋」の炊き方は、ジャポニカ米には不向きな湯取り法となりますので、普通に飯盒で炊くのに比べて味が劣るのは確かです。コメから出た成分を、捨ててしまうことになるので、艶や弾力の面ではどうしても仕方がありません。

ただ、このデメリットを補うメリットがあることも事実です。


  • 米を研ぐ必要がない
  • 短時間で炊くことができる
  • 焦げ付いたり、芯が残ったりという失敗がない
  • 使用後の鍋を洗うのがラク
  • 複数の袋を使えば、人数に合わせて炊くことができる


「不思議なめし袋」であれば、短時間で簡単に炊けるので、キャンプでも忙しい時や簡便に済ませたい時には大いに役に立ちます。

また、この簡便性は、パッケージにも書かれている通り、災害などの場面でも役に立ちそうです。煮るだけで米が炊け、鍋も洗いやすいので、地震などで断水している場面では重宝するでしょう。まあ、使う水を最小限に抑えるなら、ポリ袋で湯煎するという手もありますが、無洗米でない限り米を洗う必要が出てくるので、普段から普通のお米を使っている方は、防災の意味でも持っておいて損はない製品です。

ちなみに、この「めし袋」を洗って再利用できるか試したのですが、側面の圧着部分に穴が空いてしまっていたので、耐久性の面から考えると使い捨てが無難です。


尚、この製品の製造元は「ヤマヤ物産有限会社」という会社で、そちらからも同等品が販売されていますので、大量購入するなら、そちらの方がお安く手に入れることができます。


キャンプをしない方も、防災のために1ついかがでしょうか?






って、ここまで書いといて気が付いたことがあります!

よくよく考えれば、無洗米であれば、鍋とざるだけで作れちゃいます(苦笑)


鍋でお湯を沸かして、適当な量の無洗米を入れ、20分茹でたらざるで湯切りして、鍋に戻して10分蒸らせば出来上がり!!


orz



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